法人クレジットカードの3つの審査基準とおすすめのカードを紹介

昨今はさまざまなカード会社が法人クレジットカードを発行しています。これをご覧の法人経営者の方や個人事業主の方も、法人クレジットカードを発行しようと考えている方は多いのではないでしょうか。

法人クレジットカードを発行するうえで気になるのが、審査基準です。また、クレジットカードの種類が多すぎて、どれが良いのか分からないと感じる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、法人クレジットカードの審査基準とおすすめの種類について、徹底解説します。これから法人クレジットカードを発行しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

法人クレジットカードの3つの審査基準

法人クレジットカードの3つの審査基準

法人クレジットカードは、個人カードと同様に審査があります。しかし、審査内容はカード会社によって異なり、内容自体を公表しているカード会社はありません。

そのため、どのような点が審査されるのか分からず不安と感じる方もいらっしゃるでしょう。以下に、法人クレジットカードの審査基準をまとめましたので、ご覧ください。

法人クレジットカードの3つの審査基準
  • 事業の継続年数
  • 財務状況
  • 信用情報

以下の項目では、上記3つの審査基準について徹底解説します。法人クレジットカードの審査に不安を感じている方は、参考にしてください。

事業の継続年数

事業の継続年数は、安定した売上があるかを判断する材料となるため、法人クレジットカードの審査基準となっています。安定した売上がある企業は、支払い遅延のリスクも低いためです。

事業をスタートして1〜2年程度で、売り上げ実績がほとんどない状態だと、法人クレジットカードの審査に落ちてしまう要因となる可能性があります。

財務状況

会社の財務状況も、支払いが滞りなく行われるかに影響するため、法人クレジットカードの重要な審査基準となっています。財務状況は、直近だけではなく、長期に渡って安定した売上があるかを見られる場合が多いです。

赤字経営なのが望ましいですが、赤字であっても審査を通過するケースはあります。また、個人事業主は法人よりも事業規模が小さい場合が多いため、信用情報を重視されるケースもあるでしょう。

信用情報

法人クレジットカードの場合、経営者の信用情報も審査に影響します。信用情報とは、税金の支払い状況や消費者金融の利用状況、年収、住宅情報などを指す用語です。

法人経営者や個人事業主の場合、その人がきちんと利用額を支払うかの証拠が必要となるため、信用情報は重要な判断材料となります。特に個人事業主の場合は、この信用情報を重視されるケースも多いでしょう。

法人クレジットカードの審査に落ちる3つの理由

法人クレジットカードの審査に落ちる3つの理由

法人クレジットカードの審査は、通常のクレジットカードと同様に審査落ちする場合があります。しかし、個別に審査落ちの理由を伝えられることはないため、なぜ自分が落ちたのか分からないといったケースも少なくありません。

法人クレジットカードの審査に落ちる主な理由には、以下のものが挙げられます。

法人クレジットカードの審査に落ちる3つの理由
  • 申込者が過去に金融事故を起こしている
  • 申込者が長期延滞をしている
  • クレジットカードの利用実績がない

以下の項目では、法人クレジットカードの審査に落ちる理由について、詳しく解説します。すでに審査落ちしてしまい理由が知りたい方や、審査落ちを防ぎたい方はぜひ参考にしてください。

申込者が過去に金融事故を起こしている

申込者本人が過去に金融事故を起こしている場合、法人クレジットカードの審査に落ちやすくなります。金融事故とは、公共料金の支払い遅延やローンの返済遅延、自己破産などを指す言葉です。

こうした金融事故を起こした経験のある方は、クレジットカードで利用したお金を支払えなくなる可能性が高いため、審査に通りにくくなります。金融事故の情報は、5〜10年程度保存されるため、過去10年間で金融事故を起こしている方は、審査に落ちる可能性が高いでしょう。

申込者が長期延滞をしている

ローンやキャッシング、税金などの長期滞納がある場合も、クレジットカード審査に落ちる可能性が高いです。長期滞納がある場合は、資産が少ない、または収入が多くないと考えられるため、クレジットの支払いも滞納する可能性が高いためです。

滞納していたお金を返済し終えた場合も、5年前後は滞納履歴が残ってしまいます。そのため、過去5年間で長期滞納をしていた経験がある方は、審査落ちの可能性があると考えたほうが良いでしょう。

クレジットカードの利用実績がない

クレジットカードの利用実績がない場合も、審査に落ちる可能性があります。これは、「申込者が滞りなく毎月支払いができるかどうか」の判断材料が少ないためです。

クレジットカードの利用実績があれば、これまで毎月支払いができていたか分かり、今後も問題なく利用してもらえるかの判断がしやすくなります。そのため、こうしたクレジットカードの利用実績がない方は、審査に落ちる可能性があるのです。

法人クレジットカードの審査に通るための3つのコツ

法人クレジットカードの審査に通るための3つのコツ

法人クレジットカードには前述の通りさまざまな審査基準があります。そのため、申し込んでも落ちてしまうのでは、と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、法人クレジットカードの審査に通るためのコツも存在します。以下のようなポイントを気をつけると、審査に通る可能性が高まるでしょう。

法人クレジットカードの審査に通るための3つのコツ
  • 固定電話を設置する
  • 代表者の個人カードでクレヒスを積む
  • プロモーションを活用して発行する

以下では、上記3つのコツについて詳しく解説します。これから法人クレジットカードを申し込む方は、参考にしてください。

固定電話を設置する

法人クレジットカードの場合は、固定電話を設置していると審査に通りやすくなる可能性があります。これは、「固定電話がある=会社が実在している、営業実態がある」という証拠になるためです。

携帯電話だと必ず審査落ちする訳ではありませんが、携帯電話だと会社の実態がなくても契約でき、詐欺会社の可能性も考えられます。そのため、特に個人事業主の場合は固定電話があったほうが、審査を有利に進められるのです。

代表者の個人カードでクレヒスを積む

会社の代表者が個人カードでクレヒス(クレジットヒストリー)を積むのも、審査に通るために重要なポイントです。クレヒスとは利用履歴のことで、支払い遅延なく一定金額を使い続けている「良いクレヒス」があれば、審査に通りやすくなります。

逆に、クレヒスがまったく無い状態だと、前述の通り審査に落ちてしまう可能性も高まります。そのため、まずは代表者の個人カードでクレヒスを積むのがおすすめです。

プロモーションを活用して発行する

クレジットカードのプロモーションとは、銀行やお店、ショッピングモール、百貨店などで行っている発行促進活動を指します。こうしたプロモーションを活用すると、審査に通りやすくなるでしょう。

プロモーションでは、クレジットカード会社の担当者に発行の相談もできます。そのため、ご自身の財務状況などを話したうえで、審査に通る可能性があれば申し込むのもおすすめです。

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審査が不安な方必見!審査間口が広めのおすすめ法人クレジットカード5選

審査が不安な方必見!審査間口が広めのおすすめ法人クレジットカード5選

法人クレジットカードは種類が豊富なため、いざ発行したいと思っても、そもそもどの種類がいいのか分からず迷ってしまう方も少なくありません。

そんな方に向けて、本記事では審査間口が広くおすすめの法人カードを5つ選び、まとめました。

審査間口が広くおすすめの法人カード5選
  • 三井住友カードビジネスオーナーズ(一般)
  • JCB法人カード
  • アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・カード
  • 楽天ビジネスカード
  • ライフカードビジネス(法人カード)

以下では、5種類のカードそれぞれについて、ポイント還元率や特典などを徹底解説します。自分に合った法人クレジットカードを知りたい方は、以下の内容をご覧ください。

アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・カード

アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・カード
カード名アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
年会費年会費:13,200円(税込)
追加カード:6,600円(税込)
ポイント還元率0.50%
国際ブランドAMEX
発行スピード通常、申し込みから3週間程度
会計ソフト連携freee会計
追加カード数3枚まではネット申し込み可能
3枚以上は電話申し込み
個人事業主対応可否

アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・カードは、ビジネス情報サービスや福利厚生プログラム、各種保険など特典の豊富さが魅力の法人向けクレジットカードです。ビジネス情報サービス「G-Search」では、企業情報や新聞・雑誌の記事、帝国データバンクや東京商工リサーチの情報などを利用できます。

最高5,000万円の旅行傷害保険や空港ラウンジの利用権などの特典も付いています。出張の多い法人経営者や個人事業主にも、おすすめのクレジットカードです。

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アメックスの法人カードは3種類!ビジネスカードを利用するメリット・デメリットを解説

三井住友カードビジネスオーナーズ(一般)

カード名三井住友カードビジネスオーナーズ(一般)
年会費無料
ポイント還元率0.50%〜1.50%
国際ブランドVisa/MasterCard®
発行スピード申し込みから最短3営業日で発行
会計ソフト連携連携なし
追加カード数19枚
個人事業主対応可否

三井住友カードビジネスオーナーズ(一般)は、年会費が永年無料で利用できる法人向けクレジットカードです。登記簿謄本・決算書の提出が必要ないため、手軽に申し込めます。

最高500万円のショッピング保証や最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯するほか、海外旅行傷害保険を携行品損害保険や入院保険に切り替えられるのも魅力です。国外に行く機会が少ない方でも、利用しやすいでしょう。

クレジットカード三井住友法人カード3種類を比較|選ぶポイント〜審査基準について解説

JCB法人カード

JCB法人カード
カード名JCB法人カード
年会費年会費:1,375円(税込)
※オンライン入会の場合、初年度年会費無料
ポイント還元率0.47〜1.49%
国際ブランドJCB
発行スピード契約確認書類を利用者が受理したことが確認されてから、1週間程度
※書類の郵送・返送などを含め、合計で3週間前後
会計ソフト連携弥生会計/freee会計/ソリマチ
追加カード数制限なし
個人事業主対応可否

JCB法人カードは、クレジットカード業界で初めてサイバーリスク総合支援サービス・保険を付帯した法人カードです。リスク診断やツール提供のサービス、電話相談、専門業者紹介サービスなど、インシデント防止や発生後対応に役立ちます。

また、弥生会計・freee会計・ソリマチと3種類もの会計ソフトと連携できるのも、JCB法人カードの魅力です。法人だけでなく個人事業主の方でも、こうした会計ソフト連携で経理作業の負担を軽減できるでしょう。

パソコンを見る 女性JCB法人カード(一般)は個人事業主におすすめ!メリット・デメリットについて解説

楽天ビジネスカード

楽天ビジネスカード
カード名楽天ビジネスカード
年会費2,200円(税込)
ポイント還元率1.0%
国際ブランドVISA
発行スピード5週間程度
会計ソフト連携なし
※MoneyForwardクラウド3カ月無料など、VISAビジネスオファーの利用可能
追加カード数複数枚発行不可
個人事業主対応可否

楽天ビジネスカードは、ポイント還元率が高くお得に利用しやすい法人向けクレジットカードです。楽天ビジネスカードを使って楽天市場で買い物をすると、楽天ポイントが2倍になります。

また、VISAビジネスオファーが利用できるのも、楽天ビジネスカードの魅力です。会計ソフトの割引やワークスペース・シェアオフィスの割引優待、広告費用の割引など、法人経営者や個人事業主に嬉しい特典が豊富に用意されています。

クレジットカード 券面楽天ビジネスカードは法人向け!利用時のメリット・デメリットを解説

ライフカードビジネス(法人カード)

ライフカードビジネス(法人カード)
カード名ライフカードビジネスライトプラス
年会費無料
ポイント還元率0.50%
国際ブランドMasterCard®/JCB/VISA
発行スピード最短4営業日で発行
会計ソフト連携連携なし
追加カード数3枚
個人事業主対応可否

ライフカードビジネス(法人カード)は、年会費が永年無料の邦人向けクレジットカードです。楽天ビジネスカードと同様にVISAビジネスオファーが利用できるほか、ライフカード提携弁護士による法律相談を1時間無料で受けられます。
また、宿泊施設やジム、映画館などの優待割引も魅力です。国内外旅行の予約サービスや、海外のアシスタンスサービス「LIFE DESK」もあり、日常生活から出張シーンまで、あらゆる面で便利なクレジットカードと言えます。

法人クレジットカードの審査を受ける際によくあるQ&A

法人クレジットカードの審査を受ける際によくあるQ&A

法人クレジットカードは、個人カードに比べると発行したことのない方が多いと言えます。そのため、審査を受ける際に疑問があっても、質問できる人がいないといった状況に陥りやすいでしょう。

本記事の最後では、法人クレジットカードの審査を受ける方がよく考える疑問・不安について解説します。

法人クレジットカードの審査を受ける際によくあるQ&A
  • 法人クレジットカードの審査に必要な書類
  • 個人のクレヒスに傷があると審査に影響する?

以下で、上記2つの質問について詳しくご回答しますので、申し込み前にぜひご覧ください。

法人クレジットカードの審査に必要な書類

法人クレジットカードの審査に必要な書類は、カード会社や種類などによって異なります。一般的に、法人クレジットカードの審査を申し込む際に必要となる書類は、以下のものです。

法人クレジットカードの審査に必要な書類
  • 決算書
  • 登記簿謄本もしくは印鑑証明書
  • (個人事業主の場合)確定申告書
  • 法人の本人確認書類
    (現在事項全部証明書、履歴事項全部証明書など)
  • 代表者の本人確認書類
    (運転免許証など)

カード会社や、申込者が法人か個人事業主かによって、必要な書類は異なります。法人クレジットカードの審査に申し込む際にはあらかじめ用意しておくとよいでしょう。

個人のクレヒスに傷があると審査に影響する?

個人のクレヒスに傷があった場合、審査に影響する可能性があります。特に、会社経営者本人の場合や、個人事業主の場合だと、審査に影響しやすいと言えるでしょう。

逆に、従業員が追加カードを申し込む場合であれば、経営者ほど影響が大きくない可能性も高いと言えます。ただし、基本的には審査に影響すると考えたほうが無難です。

まとめ

法人クレジットカードは、うまく活用すれば経費管理が楽になり、さらに特典やポイント還元でお得にビジネス関連の支払いができるカードです。

審査基準には、個人カードにない項目も多くありますが、3年程度しっかりと事業を行った実績があれば問題なく通過する場合が多いでしょう。本記事を参考にして、ご自身にぴったりの法人クレジットカードに申し込んでみてください。

本記事のまとめ
  • 法人カードの審査基準には、「事業の継続年数」「財務状況」「信用情報」などがある。
  • 法人カードの審査に落ちてしまう要因として「過去の金融事故」「ローンや税金の長期滞納」「クレジット利用実績がない」といったものが考えられる。
  • 固定電話の設置や、プロモーション活用、さらに個人カードでクレヒスを積むなどすると、法人カードの審査に通りやすくなる。
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