フードロス(食品ロス)対策には何をする?企業ができるフードロスを減らす方法とは?

フードロス(食品ロス)という言葉を最近多く耳にすると思います。フードロス(食品ロス)は現在、世界中で問題視されている分野であり、少しでも早い対策が必要です。しかし、フードロス(食品ロス)への対策を知っている方は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、フードロス(食品ロス)の基礎知識や対策を解説していきます。ぜひ参考にしてください。

フードロス(食品ロス)とは

フードロス(食品ロス)とは、本来なら食べられるはずなのに捨てられてしまっている食品のことです。このフードロス(食品ロス)は現在世界中で問題視されており、少しでも早い対策が求められている分野の一つになっています。

原因

では、なぜフードロス(食品ロス)が起こってしまうのでしょうか。それは、家庭内での食品の食べ残しや食品の腐敗、売れ残りなどが原因です。そのため、フードロス(食品ロス)への認識はあるのにも関わらず、捨てざるを得ない食品が多くなっていることが問題です。

影響

フードロス(食品ロス)は、単に食品がもったいないという問題だけではなく、環境に悪影響をもたらします。例えば、食品廃棄物が多くなってしまえば処分する際に排出される二酸化炭素も増えてしまいます。このように、フードロス(食品ロス)は環境にも大きな悪影響をもたらすことになり、少しでも早い対策が重要です。

また、フードロス(食品ロス)は環境問題以外に人間社会にも悪影響をもたらしています。現在日本では、食品が足らず飢餓によって餓死してしまうということはほとんどありませんが、世界各地では飢餓に苦しむ人々が多くいることを理解しておくことも重要です。

フードロス(食品ロス)の種類

フードロス(食品ロス)には「事業系食品ロス」と「家庭系食品ロス」の2種類に分けられます。

事業系食品ロスは、事業活動を伴う際に発生するフードロス(食品ロス)のことで、店舗などから処分される食品のことです。家庭系食品ロスは、各家庭から発生するフードロス(食品ロス)のことで、皆さんが普段残して捨ててしまっている食品のことです。

フードロス(食品ロス)の現状

続いて、フードロス(食品ロス)の現状の解説をしていきます。今回は、現状を国内と海外で見ていきましょう。

国内の現状

フードロス(食品ロス)の日本国内の現状は、農林水産省のデータにより年間約570万トンになっていることが分かっています。この年間約570万トンのフードロス(食品ロス)を日本国民一人あたりに換算すると、1年で1人が約45キロの食品を捨ててしまっている計算になります。

年間約45キロという数字は、毎日全ての人がお茶碗一杯分のご飯を捨てている量に匹敵するため、いかに大きな問題であるかが分かると思います。日本国内でも、少しでも早い対策が必要不可欠です。

世界の現状

フードロス(食品ロス)の世界の現状は、1年に約13億トンの食品が捨てられています。世界で生産されている食品の量が約40億トンといわれているため、約30%がフードロス(食品ロス)として処分されていることになります。

世界で見ると各国によって食料の貧富の差が激しく、栄養不足になっている人が世界の9人のうち1人という割合です。そのため、世界で見ても少しでも早い対策が求められ、栄養不足の人々に食品が提供されるようにする必要があります。

フードロス(食品ロス)への企業が取るべき対策

フードロス(食品ロス)には、企業が取れる対策が多く存在します。今回は、その中でも特に効果が高いと想定される対策を3つ紹介します。

  1. 店舗の廃棄を出さないように売り切る
  2. 食品を仕入れすぎない
  3. 余った食料は寄付する

対策①:店舗の廃棄を出さないように売り切る

フードロス(食品ロス)への企業が取るべき1つ目の対策は、店舗の廃棄を出さないように売り切ることです。これは企業が取るべき一番の対策であり、店舗での廃棄が出ないような量の食品を仕入れることがとても重要です。

そのためには、食品業界全体が連携しフードロス(食品ロス)が減る対策を取る必要があります。

対策②:食品を仕入れすぎない

フードロス(食品ロス)への企業が取るべき2つ目の対策は、食品を仕入れすぎないことです。これは、先ほど述べたような廃棄を出さないように売り切ることにつながることになります。

あらかじめ売り切れる分の食品を仕入れることで、フードロス(食品ロス)が減ります。そのためには、企業は仕入れる食品の量を計算し廃棄が出ないようにする必要があります。

対策③:余った食料は寄付する

フードロス(食品ロス)への企業が取るべき3つ目の対策は、余った食料は寄付することです。

先ほどから解説しているように、食品を余らせないことが一番重要ですが、余ってしまうこともあります。その際に、フードシェアリングといったサービスを利用することで余った食料を寄付できます。

廃棄になるはずの食品が寄付されることで処分されなくなり、フードロス(食品ロス)対策につながります。

フードロス(食品ロス)への個人ができる対策

フードロス(食品ロス)は、世界中で対策が求められる課題となっており、皆さん1人1人の努力によって対策することができます。フードロス(食品ロス)への対策は、以下の通りです。

  1. 食品を買いすぎないようにする
  2. 長持ちしない保存方法を取らない
  3. 料理を作りすぎないようにする
  4. 冷蔵庫の中に食品を放置したままにしない
  5. 食品の好き嫌いを減らす
  6. 調理の失敗による処分を減らす
  7. 過度な健康志向を減らす

それぞれ解説していきます。

対策①:食品を買いすぎないようにする

フードロス(食品ロス)への1つ目の対策は、食品を買いすぎないようにすることです。必要以上に食品を買い込みすぎてしまい、食べないままにしておくと最終的には処分しなければなりません。そのため、必要な分の食品を買い、無駄に処分する食品が増えないように対策することが重要です。

また、面倒かもしれませんが毎日買い物を行うことで、必要最低限の食品のみを購入できるため、フードロス(食品ロス)への対策につながります。

対策②:長持ちしない保存方法を取らない

フードロス(食品ロス)への2つ目の対策は、長持ちしない保存方法を取らないことです。食品はそれぞれに適切な保存方法があります。適切な保存方法を取れていない食品は、すぐに腐ってしまったりと処分することになります。

そのため、インターネットなどで食品の正しい保存方法を調べ、適切な方法で保存することが重要です。食品の適切な保存方法を知ることで、食品が長持ちするだけではなく日が経っていてもおいしく食べられることにも繋がりますよ。

対策③:料理を作りすぎないようにする

フードロス(食品ロス)への3つ目の対策は、料理を作りすぎないようにすることです。食品を調理しておいしく食べることはとても良いことです。しかし、料理を作りすぎてしまうと残してしまうことがあると思います。そのため、料理を作りすぎないようにし、食品を残さないようにすることが重要です。

また、料理を作りすぎてしまった場合にはタッパーなどの密閉できるものに入れ、翌日のお弁当屋や朝ごはんとして食べることでフードロス(食品ロス)が減ります。

対策④:冷蔵庫の中に食品を放置したままにしない

フードロス(食品ロス)への4つ目の対策は、冷蔵庫の中に食品を放置したままにしないことです。皆さんの中にも、冷蔵庫の中にずっとありあまり食べない食品があると思います。このような食品は大掃除の際などに処分されることが多いため、放置したままにせずできる限り食べるようにしましょう。

しかし、冷蔵庫に放置してしまう食品をなくすことはとても難しいことだと思います。そのため、大掃除の際などに処分している食品をメモして買わないようにするか、買う量を減らすなどの対策を取りましょう。

また、冷蔵庫の中に食品などをあまり多く置いておかないように意識するだけでも、冷蔵庫に食品が放置されるリスクを減らせます。

対策⑤:食品の好き嫌いを減らす

フードロス(食品ロス)への5つ目の対策は、食品の好き嫌いを減らすことです。誰にでも嫌いな食べ物はあると思います。しかし、嫌いな食べ物を食べずに処分してしまうとフードロス(食品ロス)につながってしまいます。普段から嫌いな食べ物も食べきる習慣を付けるように努力してみてください。

努力した結果、どうしても食べられない食品の場合には、食べられる方に食べてもらうようにしましょう。また、どうしても食べられない食品が入っているお総菜などは購入しないようにすることでも家庭系食品ロスへの対策ができます。

対策⑥:調理の失敗による処分を減らす

フードロス(食品ロス)への6つ目の対策は、調理の失敗による処分を減らすことです。食品を調理しておいしく食べることはとても良いことです。しかし、調理に失敗して食品を処分してしまうとフードロス(食品ロス)につながってしまいます。そのため、調理の失敗をできる限り減らす努力をすることでフードロス(食品ロス)への対策になります。

また、インターネットなどから調理方法を調べることで、調理の失敗を大きく減らせます。万が一調理に失敗した場合でも、処分しない方法を考えるようにすることもとても重要です。

対策⑦:過度な健康志向を減らす

フードロス(食品ロス)への7つ目の対策は、過度な健康志向を減らすことです。過度な健康志向は、農薬が入っている食品などを食べなくなってしまう可能性があります。農薬などを含んだ食品を避けることは悪いことではありません。

しかし、みなさまが思うほど店舗などに売っている食品には体に害はないです。農薬などがどのくらいの量で体に害を及ぼすのかをインターネットで調べるなど、正しい知識をつけるようにしましょう。

フードロス(食品ロス)への対策を行うメリット

最後にフードロス(食品ロス)への対策を行うメリットを解説していきます。フードロス(食品ロス)への対策を行うメリットは、以下の通りです。

  1. 地球温暖化防止
  2. 食料の貧富の差が少なくなる

それぞれ解説していきます。

メリット①:地球温暖化防止

フードロス(食品ロス)への対策を行う1つ目のメリットは、地球温暖化防止です。生じたフードロス(食品ロス)を処分する際に発生する二酸化炭素などにより、地球温暖化が進んでいることが問題視されています。しかし、フードロス(食品ロス)への対策を行うことで処分する食品の量を減らすことができます。

処分する際に発生する二酸化炭素などが減ることで、地球温暖化防止につながります。

メリット②:食料の貧富の差が少なくなる

フードロス(食品ロス)への対策を行う2つ目のメリットは、食料の貧富の差が少なくなることです。世界では現在、食料が食べられず栄養不足になっている方がいます。フードロス(食品ロス)への対策を行うことで、食料が食べられない方にも食料が届けられるようになります。その結果、食料の貧富の差が少なくなり栄養不足になる方も少なくなります。

まとめ

本記事では、フードロス(食品ロス)の基礎知識や対策を解説しました。

フードロス(食品ロス)は世界中の問題であり、対策することで少しずつ減らしていくことが可能です。そのため、みなさまも本記事で解説した対策を取って、フードロス(食品ロス)への対策を行うようにしてください。