美容師の人材採用は難しい?業界背景〜美容師不足を解消する方法を解説

美容室において、新しく美容師を採用するのは難しいと言われます。

実際、美容室において新しく美容師を採用するのは比較的難しく、良い人材が集まらないと悩んでいる方は多いです。

そこで本記事では、なぜ美容師の採用が難しいのか、良い人材を採用するためにはどうすればいいのかについて解説します。

これから新しく美容室を開業しようという方や、事業拡大に向けて採用活動をスタートしようとしている方は、是非参考にしてください。

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美容師業界は人手不足?切なすぎる現実について

美容師業界は人手不足?切なすぎる現実について

人材採用について考えるために、まずは美容業界の現状を把握しましょう。

厚生労働省の調査によると、美容師の数を示す「美容師免許件数」と、「美容室数」は以下のようになっています。

年度H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29H30R1R2
免許件数23,78422,53118,46817,85517,62318,17318,42819,00518,64519,40217,87218,36117,181
施設数221,394223,645223,277228,429231,134234,089237,525240,299243,360247,578251,140254,422257,890
引用①:理容師美容師試験研修センター「新規免許登録件数
引用②:厚生労働省「令和2年度衛生行政報告例 統計表2

新規美容師免許件数は、平成17年度の「29,452件」をピークに減少傾向にあり、令和2年度では「17,181件」とピーク時から1万件以上も減っています。

美容師が減少している背景としては、給与条件が良くないことや、個人事業主という働き方に不安があること、求められるスキルが高いことなどが考えられます。

昨今は複雑なカットやカラーリングなど高いスキルを求められる場面も増えている一方で、待遇面は改善が進んでおらず、割に合わないと感じる人も多いです。

そして美容師が減少している一方で、美容室の施設数は右肩上がりに増えています。

平成5年に「189,975施設」だった美容室は、令和2年には「257,890施設」と約7万施設も増えているのです。

このように、美容師が減少し続ける一方で美容室の施設数は増え続けていることから、年々美容室の人材獲得は難しくなっています。

美容師の新卒(アシスタント)採用が難しいと言われる3つの理由

美容師の新卒(アシスタント)採用が難しいと言われる3つの理由

美容師の新卒採用、特にアシスタントの採用はとても難しいとされています。

美容師の新卒採用が難しいとされる主な要因は、以下の3つです。

美容師の新卒(アシスタント)採用が難しいとされる理由
  • 時給換算すると割に合わない
  • 採用にかかるコストをかけづらい
  • アクセスが悪い

それでは上記の要因について、「アシスタント視点」「経営者視点」でそれぞれ解説します。

時給換算すると割に合わない

まず新卒で採用されるアシスタント側の意見では、給与面が厳しいという声が多くあります。

アシスタントはいわゆる「下積み期間」に相当するため、雑用や研修に割く時間がとても多いです。

自主的な練習を求められるケースも多いですが、この練習は業務時間とならない職場も多くあります。

また職場によっては歩合制であったり、開店・閉店準備のために業務時間よりも早く出勤しなくてはならなかったりするため、トータルで時給換算すると割に合わないと感じることが多いようです。

採用にかかるコストをかけづらい

経営者視点で考えると、採用コストがかけられないという意見が多いです。

新卒採用の場合は、アシスタントとしてこれから育成していく人材を採用することになります。

即戦力人材を採用する訳ではないため、経営に余裕がない美容室にとってはコストを割けないということも多いでしょう。

またアシスタントを教育していくためにもコストがかかるため、総合的に判断して「経験者でないと採用できない」としている美容室も少なくありません。

アクセスが悪い

アシスタント視点では、アクセス面の悪さというのも懸念点です。

新卒で採用されたアシスタントは深夜までカット練習をすることも多く、閉店後すぐ帰ることができません。

また早朝に出勤してカット練習をしたり、開店準備をすることもあります。

こうしたことから他業種に比べてアクセス面の悪さが目立ち、美容師を諦める新卒者もいるのです。

美容師の中途(スタイリスト)採用が難しいと言われる3つの理由

美容師の中途(スタイリスト)採用が難しいと言われる3つの理由

中途採用でスタイリストを採用する場合は、新卒採用とは違う難しさがあります。

美容師の中途(スタイリスト)採用が難しいとされる理由
  • 経験豊富な人材が市場にいない
  • 店舗の認知度がない
  • 採用ノウハウが不足している

上記3つのポイントについて、それぞれ以下で解説します。

経験豊富な人材が市場にいない

美容師は離職率が高い業種といわれているため経験豊富な人材が市場に少ないことが、中途採用が難しい主な要因と考えられます。

厚生労働省の調査によると、美容師含む「生活関連サービス業、娯楽業」の離職率は以下のようになっています。

平成28年3月卒
就職者数
3年目までの
離職者数
2年目までの
離職者数
1年目までの
離職者数
14,3028,027(56.1%)6,353(44.4%)4,180(29.2%)
引用:厚生労働省「新規短大等卒就職者の産業別離職状況

上記データを見ると、美容師関連の離職率は1年目までで「29.2%」、2年目までで「44.4%」、3年目までで「56.1%」となっています。

つまり3年で半数以上が離職している計算になり、これは離職率が高いとされる小売業の3年目離職率「47.3%」よりも高い数値です。

こうした数値からも分かるように、経験のある人材がどんどんと離職してしまっていることが、中途採用が難しくなっている主な要因といえるでしょう。

店舗の認知度がない

店舗の認知度が高くない場合も、中途採用が難しくなります。

中途採用に応募する美容業界経験者は、キャリアアップやより良い待遇の職場を求めて転職をするでしょう。

店舗の認知度が低いと、キャリアアップしたいという経験者は集まりにくくなります。

そのため応募そのものが集まらず、採用に苦戦するケースも少なくありません。

採用ノウハウが不足している

美容室は基本的に少人数で経営しているため、採用のノウハウがないお店も多いです。

採用ノウハウがないと「どのような求人を」「どのような方法で」「どのような場所・媒体に」掲載するかが定まらず、結果として良い人材が集まらないこともあります。

また面接でも質問内容や条件交渉などのノウハウがないと、経験者を採用するのは難しいでしょう。

美容師採用の際に求人内容を書くときのポイント

美容師採用の際に求人内容を書くときのポイント

採用時にどのようなポイントを意識し、具体的にどのように募集を出せば良いのかを具体的に実践できるレベルまで理解してもらう章。アシスタントを採用する場合とスタイリストを採用する場合に分けて細かく解説する。

アシスタントを採用する場合

アシスタントを採用する場合は、以下の項目を充実させるのがポイントです。

アシスタント採用の求人を書くときのポイント
  • 給与・昇級
  • 教育・研修制度
  • 勤務時間・休日

それではまず、実際の求人募集を見てみましょう。

勤務地渋谷区渋谷3-18-7 渋谷東一号館2階
雇用形態正社員/パート・アルバイト/面貸し
職種★急募 中途アシスタント 新卒アシスタント 1名募集中 【アルバイト 業務委託 面貸し  相談】
給与★アシスタント 月給 25万
★物販手当15% 随時昇給有  
★店舗売上により12月ボーナス有
★入社祝金10万
★交通費 全額負担(上限15000まで)
勤務時間早番10:00~19:00 遅番 12:00~21:00  (休憩1時間)
※勤務時間 早番のみ 遅番のみ相談可
週休3日要相談 
休日★休日 月8日(定休日含む)
※土日祝休み有り
★年末年始休暇 4日
★夏季休暇 冬季休暇 有給制度有り
待遇★社会保険完備 (雇用保険 健康保険 厚生年金)
★インセンティブ制度
★特別手当有り
★健康診断(年1回)
★社員旅行(年1回)
教育・研修制度★月2回店舗勉強会  
★セミナー参加
求める人材像★美容業が好きな方 
★沢山入客したい方 
★早くスタイリストデビュー(最短15か月したい方
応募資格・条件★美容師免許を持ってる方
★地方からの入社歓迎(上京にかかるお金の借入 相談可)
引用:HOT PEPPER Beauty「シャルム(charme)の求人・転職情報

勤務地渋谷、神泉
雇用形態正社員/契約社員/パート・アルバイト/業務委託/面貸し
職種スタイリスト・中途アシスタント・新卒アシスタント
   【 入社後、技術チェックあり 】
給与★スタイリスト 月給23.5万~ ( 基本給14.2000円・残業代・技術手当・皆勤手当・衣装手当含)
□ 技術売上100万→給与35万
□ 技術売上150万→給与52.5万
□ 技術売上200万→給与70万
★アシスタント 月給19.5万~ (基本給142.000円・残業代・皆勤・衣装手当含)
・技術手当、モニター手当
※経験・年齢・前給を十分に考慮した上、話し合いで決定
※研修期間制度3か月/期間短縮の場合あり、労働条件の変更無
勤務時間平日 11:00~20:30 
土祝 10:00~19:30
日 10:00~19:00
残業は別途残業代として支給
休憩1時間含む
火曜定休 (祝日の場合は営業)
休日★年間107日/シフト制
★夏季休暇、冬季休暇、有給制度あり
★月8日休(定休日含む)
待遇★社保完備 (厚生年金、雇用保険、健康保険、労災)
★交通費支給(上限1.5万まで)
★インセンティブ制度あり
★経験給別途あり
★育休・産休制度あり
★健康診断(年一回)
教育・研修制度★2年スタイリストカリキュラム/撮影、メイクの教育も行っています。
★入客しながら不安な技術を基本から学ぶ事ができ、安心して働けます!
求める人材像★美容が好きな方
★新しいことに挑戦するのが好きな方
★素直で明るく前向きな方
応募資格・条件応募の際できる技術の明記、勤務開始可能日の明記をお願い致します。※サロン見学はお電話にてお受けします
引用:HOT PEPPER Beauty「グロウ 渋谷(grow)の求人・転職情報

上記の求人では、給与や勤務時間、研修についてがしっかり明記されています。

新卒者は「この美容院で成長できるか」「安定した生活を送れるか」「まったく休めないような勤務実態ではないか」などを軸に、求人を比較します。

特に昨今はアシスタントの激務さが問題視されているため、きちんと休めるかなどを重視している新卒者も多いです。

そのため給与・勤務時間・研修についての内容を充実させると、応募者が集まりやすいでしょう。

スタイリストを採用する場合

スタイリスト採用の求人を書くときには、以下のポイントを充実させると良いでしょう。

アシスタント採用の求人を書くときのポイント
  • 福利厚生
  • お店の実績
  • 求めている人材・お店の方針など

それではまず、実際の求人募集を見てみましょう。

店舗紹介(前略)
【※重要】若手スタイリストには不向き、アラサー以降の美容師さんには最強で最適な環境です
nanoは、はっきり言って若手(20代中盤)までのスタイリストさんには不向きなサロンだと思います。
20代後半以降のアラサーからアラフォーの人にとっては最強で最適なサロンだと思います。
メインの客層は20代後半、30代、40代の大人世代の方が多くなっております。昨今の渋谷はオフィスも多く出来、大人世代の方が増えているので、いまnanoのようなサロンが求められているようで、新規のお客様は個々数年増加傾向にあります。
まだまだ若いお客様にガンガン入客したい、今どきの派手な頭や流行りのデザインを作りたい、回す仕事でもいいから稼ぎたい、自分のやりたいスタイルで好きなように働きたい。といった感覚の方には不向きなサロンだと思います。
勤務地渋谷駅徒歩5分。PARCO、東急ハンズ近くオルガン坂沿い
雇用形態業務委託/面貸し
職種スタイリスト
給与【完全歩合給】
技術売上45%~+指名料フルバック+店販売上10%から20%
※指名客数、売上額により55%
★【報酬例は上記に記載あり要確認】★
※勤務後半年間は29万保証(時給¥1100から)あるので、安心です☆
勤務時間【自由シフト制】
10時~から2時の時間で自由出勤シフト制
☆ダブルワーカー大歓迎!
休日【自由出勤制】
休日は自由!お休みは自由に自分で決めてください♪
待遇◆役職手当
◆撮影ヘアメイク手当(時給2000円以上)
◆勤務開始よりMAX半年間【時給1,000円~】給与保証有り
◆確定申告&節税の完全サポート
◆美容師専用青色申告用帳簿ソフト無料提供
◆独立支援制度有り
◆美容師専門のキャリアプランナーのサポート※無料
教育・研修制度◇新商品導入臨店講習【※常時新商品導入します】
◇美容室経営講座【※オーナーが全国50店舗の美容室経営コンサルです】
◇確定申告&節税講習
求める人材像■多くのお客様を担当し喜ばせたい人
■美容師の仕事が大好きな人
■何歳になっても美容師を続けたい人
応募資格・条件□美容師免許を保有していること
引用:HOT PEPPER Beauty「ヘアサロン ナノ(hair salon nano)の求人・転職情報

店舗紹介ベテランスタイリストが多数在籍する落ち着いた雰囲気の渋谷で人気の実力派サロン。
ご覧いただきありがとうございます。
CLANはアットホームで、スタッフが楽しくサロンワークができる創業7年目のサロンです。全員が楽しみながらはもちろんですが教育面でもしっかりサポートさせて頂いており、約2年間でのトレーニングでスタイリストデビューを目指しています。
20年以上の経験を積むスタイリストが多数在籍し今まで培った技術を直接指導致します。
週3回以上の練習会でしっかりとした技術力を身につけていただき将来的に多くのお客様を担当できるような技術力と人間性を持った素晴らしいスタイリスト育成を目指します。
個人経営の小規模サロンで風通しの良い仲良しサロンです。
一緒に多くのことを学び美容のプロを目指しましょう。
勤務地渋谷
雇用形態正社員/面貸し
職種スタイリスト・アシスタント
給与「スタイリスト」月給22.0万円~60.0万円基本給+歩合+メイク手当+着付け手当+店販手当など
「アシスタント」月給20.0万円~23.0万円基本給+メイク手当+着付け手当+紹介手当など
各試用期間あり
勤務時間10:30~20:00 / 祝日 日曜日
11:00~21:00 / 平日 
休日完全週休2日
お休みは月6日か月8日の取得を選択していただけます。
水曜日定休
夏季休暇、冬期休暇(5日以上可能)
年間10日有給あり
待遇社会保険完備、労災、雇用保険
交通費支給(2万円まで)
社員旅行(沖縄、北海道など)
賞与(業績に応じて)
撮影会(月に一度)
産休、育休制度あり
教育・研修制度週に3回程度マニュアルトレーニングをスタイリストがマンツーマンで指導し、2年間のトレーニングでスタイリストへ導きます。
求める人材像明るく前向きで一生懸命働ける方
感謝の気持ちが持てる方
美容が好きでおしゃれが好きな方
応募資格・条件美容免許を保持している方
引用:HOT PEPPER Beauty「クラン(CLAN)の求人・転職情報

転職を考えている美容師は、「この美容師は自分の価値観と合うか」「より高レベルな技術を学べる環境か」「福利厚生がしっかりとしていて、長く努められる環境か」などを重視します。

上記の求人を見ても、福利厚生やお店が大切にしていることなどが明記されており、求職者側もお店との相性を判断しやすいです。

こうしたことから、スタイリストを募集する際には「福利厚生」「お店の実績」「お店の方向性」などを明記することが重要なのです。

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美容師の採用は難しいがうまくいかせる方法はある

本記事では美容師の採用について、採用が難しくなっている背景や、採用のポイントなどを解説しました。

本記事のまとめ
  • 美容師は年々減少している一方、美容室は増加しており、人材採用は難しくなっている
  • 給与面や勤務の多忙さ、待遇面などの不安をなくすことが、良い人材を採用するポイント
  • 中途採用をする場合は、お店の実績や方向性も分かりやすく伝える

美容師の採用は難しい状況が続いていますが、上記のポイントを意識しながら募集活動をすれば、良い人材が集まるでしょう。

美容師の採用に関しては、以下の記事も参考にしてください。