1人美容師の年収は?儲かる?美容室・サロンオーナーの平均年収〜売上の出し方を紹介

国家資格を取得した人だけがなれる美容師は技術を持った職業なので年収も他業種と比べると高いように思えます。

しかし、平均年収は意外にも低く、それは固定費や人手不足といったことが影響しています。しかし、1人美容師やサロンオーナーの場合は一般美容師とは異なり儲けることも可能です。

1人美容師の方が儲かるのか、サロンオーナーとして経営をした方が儲かるのか、本記事で徹底解説をします。

平均年収や売上等を参考にしながら解説をするので、自身のケースと照らし合わせて確認してみましょう。

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1000万円も可能?美容室オーナーの平均年収とは

美容室オーナーの平均年収は1000万円も可能なのでしょうか。理美容師の平均年収を参考にしてみましょう。

人数年収
10人以上3298.3 (千円)
10~99人3360.6 (千円)
100〜999人3116.6 (千円)
1000人以上3245.5 (千円)
引用:令和2年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算) 別添1

10人以上を雇用する場合、2020年の理美容師の平均年収は329万8千円となりました。

10〜99人程度の規模の理美容室の場合が最も平均年収が高いことが分かりました。日本国民の年収中央値と比較すると、100万円ほどの違いがあります。

✔︎参考

このことから、理美容師の年収は日本国国民の年収中央値より低いことが分かります。

ただし、これはあくまで平均値であるため、トップスタイリストや、技術力があり独立を目指しているような美容師の場合はこれ以上の年収がある場合が多いです。

また、美容室オーナーの場合は売上規模によって自身の年収は大きく変わります。オーナーの平均年収相場は4〜500万円ほどと言われていますが、これは理美容師の平均年収からみても妥当な額でしょう。

美容師業界全体の平均年収とは

美容師は専門的な技能を習得し、国家資格を取得した人だけがなれる職業なので、年収は平均よりは多いようにも思えますが、美容師業界全体の平均年収は、他業種と比較してもあまり高くないことが分かりました。

これにはいくつかの理由が考えられます。

美容業界全体の年収が低い4つの原因
  1. 固定費が高い
  2. 価格競争
  3. アシスタントの場合は給与が低い
  4. 人手不足

順番に見ていきましょう。

固定費が高い

美容室を経営するにあたってかかる固定費が他業種よりも高い傾向にあります。

お客さまを入れて髪を切ったり、髪を染めたりと行う美容室は、席数を増やすほど広さが必要になります。また、お客さまに来てもらいやすいような立地の物件の家賃は高くなります。

そして、シャンプーやトリートメント、カラー剤など仕入れ費は必ず発生します。また、水道・光熱費も他業種に比べてかかるため、毎月かかる固定費が高額になりがちな業種です。

価格競争

多くの美容室からお客さまに選んでもらえる店舗にするために、価格を下げることもあるでしょう。

初めていく美容室では美容師の技術がどの程度のものかわからないため、まずは少しでも安いところに行ってみようというユーザーは少なくありません。

割引を大幅に行い利益率が減ってしまえば、利益率が下がるため年収にも影響を及ぼします。

アシスタントの場合は給与が低い

美容学校を出て就職し、スタイリストになるにはある程度の期間アシスタントとして実務を学ぶことになります。

人によって違いはあるものの約2〜5年ほどのアシスタント期間は給与が低い傾向があります。

人手不足

就職してもすぐにスタイリストになれず、アシスタント時代は給与が低く、忙しいイメージのある美容師業界は人手不足に悩まされています。

その結果、店舗をうまくまわすことができず、利益が上がらないため、給与も上がらないといったことが起きています。

美容師の人材採用は難しい?業界背景〜美容師不足を解消する方法を解説

美容室オーナーの「売上ー経費=収入」の内訳

美容室オーナーの収入目安は売上の20%ほどと言われています。

実際に収入を1000万にする場合には、どのような売上、経費となるのかをみてみましょう。

美容室オーナーの「売上ー経費=収入」の内訳の概要
  • 収入1000万で必要な売上
  • 1人美容師収入500万円で必要な売上
  • 収入1000万と1人美容師で必要な経費

収入1000万で必要な売上

収入を1000万とする場合、収入目安は売上の20%、「売上ー経費=収入」の計算式にあてはめると売上は5000万円必要です。

5000万円の売上は、1ヶ月でおよそ420万円、1日およそ14万円の売上を出す必要があります。

1日14万円の売上を上げる場合、客単価が6千円の場合は24人の集客を行うことになります。

1日24人のお客さまを集客できる席数やスタッフ数を計算することで具体的な経営方法が見えるでしょう。

また、客単価を上げる努力をすることで、集客数をおさえつつ売上を上げることができます。

1人美容師収入500万円で必要な売上

1人美容師で収入500万円を達成する場合、収入目安は売上の20%、「売上ー経費=収入」の計算式にあてはめると売上は2500万円必要です。

2500万円の売上は、1ヶ月でおよそ208万円、1日およそ7万円の売上を出す必要があります。

1日7万円の売上を上げる場合、客単価が6千円の場合は12人の集客を行うことになります。

収入1000万と1人美容師で必要な経費

売上をあげるためには、それにかかる経費が発生します。

収入1000万の場合と、1人美容師の場合と分けて計算をしてみました。また、それぞれの場合で経費削減方法も異なるので、取り入れることができる経費削減方法をご紹介します。

美容院運営にかかる経費
  • 家賃
  • 仕入れ費
  • 水道・光熱費
  • 広告費
  • 借入の返済(開業にかかった費用)

順番に紹介します。

家賃

美容室を営む場合は必ず家賃が発生します。家賃の平均は売上の10%程度が目安と言われています。収入1000万の場合、5000万の売上の10%である500万円ほどが年間家賃として妥当なラインです。

1人美容師で500万収入の場合、2500万の売上の10%である250万円ほどが年間家賃として妥当でしょう。

ただし、1人美容師の場合はレンタルサロンで行うことも可能なため、営業していない日の家賃を節約することも可能です。

仕入れ費

美容室を行う場合はカラーリングやシャンプーなどの購入費用がかかります。仕入れ費用は売上の10%程度が目安と言われています。

収入1000万の場合、5000万の売上の10%である500万円ほどが年間家賃として妥当なラインです。1人美容師で500万収入の場合、2500万の売上の10%である250万円ほどが年間家賃として妥当でしょう。

1人美容師よりもスタッフ数が多い美容室の方が一度に仕入れて量あたりの単価を安く抑えることも可能です。

水道・光熱費

シャンプー、髪を乾かす際など必ず発生するのが水道、光熱費です。水道、光熱費は売上の15%程度が目安と言われています。収入1000万の場合、5000万の売上の15%である750万円ほどが年間家賃として妥当なラインです。

1人美容師で500万収入の場合、2500万の売上の15%である375万円ほどが年間家賃として妥当でしょう。

美容室は大量の水を使い、お客さまに分かりやすくスタイルを見せるためにも明るい店内にしておく必要があり、水道や光熱費を減らすことは難しいです。

水道光熱費は使用量を気にするだけではなく、契約プラン等を適宜見直すなどで削減できる可能性があるので確認しましょう。

広告費

美容室はホットペッパービューティーなどのサイトに掲載するのが主な集客方法です。売上の10%程度が目安と言われています。

収入1000万の場合、5000万の売上の10%である500万円ほどが年間家賃として妥当なラインです。

1人美容師で500万収入の場合、2500万の売上の10%である250万円ほどが年間家賃として妥当でしょう。

しかし、今はインスタグラム等のSNSの方が集客率をアップできると取り組む美容師も少なくありません、特に1人美容師の場合はSNSの活用で広告費を大幅に削減できる可能性があります。

借入の返済(開業にかかった費用)

美容室を開業する場合、立地や広さ、規模によって異なりますが一般的に1,000万〜2000万円程度が平均とされています。

物件取得費用、内装工事費用、美容機器や什器、備品費用、材料費、広告宣伝費、運転資金などが含まれます。

特に物件取得と内装工事は大きな費用がかかる部分ですが居抜き物件を活用することで費用を削減できる可能性があります。

また、什器や美容機器は購入するのか、リースするのかで初期費用が変わります。

美容室 経費美容室の経費リスト|簡単に確定申告ができるサービスも紹介

美容師オーナーが自分の年収=売上を上げる3つの方法

美容室

ここからは美容師が年収を上げる方法について解説します。ざっくりと以下の3つです。

  • 美容師の年収が低い地域で店舗を構える
  • 独立して店舗を持つ
  • コストカットを行い利益率を高める

順番に見ていきましょう。

美容師の年収が低い地域で店舗を構える

美容師の年収は地域によって、平均年収が異なり、年収が低い場所で店舗を構えると競合性に優位が出ます。都心部の年収平均では、約370万円近くになっていますが、地方では310万円ほどとなっています。下記は、年収が高い地域3つです。

地域年収
埼玉県377万円
東京都371万円
千葉県368万円

年収が高い地域では、競合性が高く、家賃や光熱費などの固定費が高くなるケースも考えられます。田舎や地方では、人材が集まりづらかったり、そもそも集客がうまくいかない可能性もありますが、人件費や固定費を安く済ませられるため、固定の顧客がつけば手元に利益を残しやすいでしょう。

店舗の集客に力を入れる

続いては、店舗の集客に力を入れると年収を上げることに繋がります。自身が運営する店舗に安定的な顧客がつけば、一定の売上を上げられるでしょう。

美容室の集客方法には、以下があります。

  • SNS
  • チラシ/広告
  • ブログ
  • ホームページ など

店舗の集客を継続的に力を入れれば、固定の顧客が付く可能性があります。技術を磨くことも重要ですが、新規を取り入れる動きも並行して行うようにしましょう。

【無料あり】美容室に効果的な5つの広告手法|広告費の平均相場〜ポイントまで解説

コストカットを行い利益率を高める

コストカットを行うことも美容師の年収に直結します。光熱費や人件費、材料費、通信費など日常的に使っている経費を5%減らすだけで、その分の手取り収入が増えます。

意識的に経費削減を行えば、利益が残るため、年収に繋げられるでしょう。下記記事では、美容室でのコストカット方法を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【美容室】月々の水道光熱費はいくら?|開業に必要な経費の知識美容室の月々の水道・光熱費はいくら?節約・削減する方法も紹介 【2024年最新】美容室におすすめのWi-Fi10社比較|メリット〜注意点まで全て解説

美容師オーナーの年収に関するよくあるQ&A

美容師オーナーの年収に関して疑問に思われる項目をまとめました。

美容師オーナーの年収に関するよくあるQ&A
  1. アシスタントの年収は?
  2. スタイリストの年収は?
  3. 1人美容師の年収は?

順番に見ていきましょう。

①アシスタントの年収は?

アシスタントの平均年収は200万円前後です。

アシスタント時はお客さま専属の担当ではなく、あくまでアシスト業務がメインとなります。そのため、歩合給を得ることができず、美容師の平均年収よりも大幅に少ない傾向にあります。

②スタイリストの年収は?

一般的なスタイリストの平均年収は約250万〜300万円です。

アシスタント時代と比べると、100万円ほどアップします。スタイリストは一般的な美容師の平均値といえます。

③1人美容師の年収は?

客単価が6千円、1日12人、営業日を月25日で計算をすると年間売上は以下のようになります。

  • 6000(円)×12(人)×25(日)×12(ヶ月)=21,600,000(円)

売上の20%ほどが実際の収入となるため、432万円ほどが年収として算出されます。

1人美容室の場合は、客単価を上げやすいパーマやカラー、トリートメントなどに力を入れて集客を行うことでより売上をアップさせやすくなります。

④美容師店長クラスの年収は?

店長クラスでは、年収360万円〜500万円ほどでしょう。月収にすると、30万円〜40万円ほとなっており、美容の接客以外にも店舗の売上やスタッフのマネジメント業務などを行う必要があります。

アシスタントやスタイリストと比べ、業務範囲の広さや責任の重さがあるため、年収も上がります。

まとめ

美容師の平均年収は他業種と比べると低い傾向にあります。しかし、独立をして1人美容師になったり、サロンオーナーになることで、売上次第では1000万円収入も夢ではありません。

美容室を営業するためにかかる固定費の削減やSNSを活用した集客方法、客単価をアップさせる努力など、売上を上げる方法はさまざまです。

売上から予想収入を計算して、現状との差異を埋めていきましょう。

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