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店舗の開業には多額のお金がかかるため、自己資金で足りないという人は、融資を含めて資金の調達を検討していることでしょう。
初めての店舗開業の場合、融資を受ける方法や資金の調達方法について何から行動して良いか分からないなど、不安が多いですよね。
当記事では、店舗開業の際、開業資金を調達する方法や、融資を申請する方法についてご紹介します。
無事に開業資金を調達し、自分のお店を開いてください。
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店舗開業には1000万円必要
店舗の規模や業種にもよりますが、店舗開業に必要な金額は1,000万円と言われています。
- 店舗物件取得費
- 設備準備費
- 許認可取得のための受講料や登録料
- その他(WEBサイト開設費や専用車両購入費等)
店舗を開店するためには、上記の開店にかかる費用の準備だけではなく、お店を開いたあとの運転資金についても準備が必要です。
- 人件費
- 仕入れ費用
- 広告宣伝費
- 家賃
- 水道光熱費
- 通信費
- etc.
店舗開業直後に想定通りの利益を出し続けられると思うのは甘いです。
むしろ、知名度が低いため集客が不安定であることを考えると、月々必要な運転資金は、3〜6ヶ月分ほどプールしておきましょう。
これらの費用を合わせて、店舗開業に必要な金額の目安は1,000万円と言われています。
開業を考えたら、実際にいくら準備すると良いのかを整理しましょう。
開業資金を調達する4つの方法
開業資金を調達するための方法を4つご紹介します。
- 自己資金を用意する
- 金融機関から融資を受ける
- 補助金や助成金を活用する
- 親族や友人から借りる
最近では専用のサイトを通じて資金を募り、商品やサービスを提供する「クラウドファンディング」を活用する人も増えているようですが、目安が1,000万円である開業資金全てをクラウドファンディングで調達するのは、まだ現実的ではありません。
今回は、すぐに取り組めそうな方法として4つを挙げました。
①自己資金を用意する
自己資金を用意する方法は、最も簡単で安全と言えます。
店舗開業用に貯めた貯金や余裕資金が開業資金分あれば、資金面はクリアです。
しかし、実際に開業資金を自己資金で用意できる人は多くありません。
業種によっては目安の開業資金よりも更に多くの開業資金がかかるため、実際に試算してみて賄えるのであれば、一番良い方法です。
②金融機関から融資を受ける
開業資金を調達する方法として一番に思い浮かぶのが、金融機関からの融資ではないでしょうか。
日本政策金融公庫が2012年発行した飲食業を始める方に向けた「創業の手引+」によると、飲食店開設資金の調達先(不動産購入をした企業を除く。)は、金融機関からの借入等が55.4%と、半数以上を占めています。
参考:https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/sougyoutebiki_food_1405.pdf
③補助金や助成金を活用する
店舗開業には、経済産業省が交付する補助金や、厚生労働省が交付する助成金も活用できます。
助成金は一定の条件をクリアすれば支給されるものであるのに対して、補助金は一定の審査が実施されますので、申込みをしても支給されない可能性がある点が2つの大きな違いです。
開業時に利用できる主な補助金や助成金を5つご紹介します。
- 創業補助金(地域創業的起業補助金)
- 創業支援事業者補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- キャリアアップ助成金
補助金や助成金を活用する注意点として重要なのが、これらの支給は、原則後払いという点です。
あらかじめ資金を用意しておき、使った金額の一部が後から戻ってくる形になりますので、開業時そのまま利用できるお金ではありません。
④親族や友人から借りる
親族や友人から開業資金を借りて、毎月返済をしている人もいます。
資金を貸してくれる人との相談次第ではありますが、利息が無い(または少ない)ため、毎月の資金繰りが楽になる点がメリットです。
親族や友人から借りる場合の注意点
注意点として、いかに親族や仲の良い友人であっても、お金の問題はこじれると人間関係の悪化を招きます。
- 返済義務の有無
- 返済期限
- 返済のペース
- 利息
借りたお金に対する約束事は紙にまとめておき、共有しておくと良いでしょう。
融資先は日本政策金融公庫
開業資金の調達先として半数以上を占める金融機関からの融資について、詳しくご説明します。
実は金融機関と聞くと真っ先に思い浮かぶ銀行や信用金庫などは、地方銀行などの地方金融機関は融資してくれる場合はあるものの、融資希望者が当事者としての借入実績が無いため、ほとんど融資してくれません。
変わって融資に応じてくれるのが、日本政策金融公庫などの公的な融資機関です。
2008年10月1日付けで設立された財務省所管の特殊会社。政府全額出資の政府系金融機関で、銀行等から融資を受けることが難しい中小企業や零細企業、またはこれから起業する方への融資を積極的に行っている。
日本政策金融公庫の最も有名な融資制度は「新創業融資制度」です。
- 対象:新たに事業を始める方または事業開始後間もない方
- 担保:不要
- 保証人:不要
- 融資限度額:3,000万円
申請後約1ヶ月程度で融資が受けられます。
日本政策金融公庫で融資を申請する方法
ここからは実際に、日本政策金融公庫で融資を申請する方法についてご説明します。
- 事業計画書の作成
- 事業計画書で審査
ステップとしては2つとなりますが、特に事業計画書の作成にはポイントを押さえて取り組みましょう。
①事業計画書の作成
まずは、事業計画書を作成しましょう。
事業計画書とは、自分の事業の内容や収益見込み、戦略などを示した書類のことで、将来性や経営者の能力を伝えるための重要な書類です。
- 創業者のプロフィール
- 理念や目的
- 企業の概要
- 事業の概要
- 商品の特徴・強み
- 競合や市場規模など
- 販売やマーケティング戦略
- 人員計画
- 財務計画
事業内容を細かく書類で伝えることで、融資審査の短略化に繋がり、審査に合格する確率が高くなると言えます。
作成の際は内容を細かく具体的にして、数値をしっかり示すなどを意識すると良いでしょう。
事業には競合は付き物ですが、競合について書かれていない場合、夢物語に捉えられてしまう可能性も。
市場環境や競合の調査を行った上で自社の強みをアピールできると効果的です。
②事業計画書で審査
事業計画書を作成し、提出したら審査に移ります。
審査で重視される点は3つです。
- 明確な収支計画
- 開業者の経歴
- 借入の状況
事業を始めるにあたり、「なににいくら投資するか」を明らかにしておくことが重要です。
店舗開業の場合は例えば機材設備に対して、その設備を入れることで本当に収支が釣り合うのか、本当に利益が取れるのか、という点について判断が下されます。
事業計画書には、開業者の経歴も記載が必要です。
略歴はもちろん、過去の事業経験、資格、知的財産等について記載します。
日本政策金融での審査は、過去に同じ・または似たような事業を行った経験があるかが経営者の能力の有無を判断する有効な材料です。
過去の経験とは、サラリーマンとして働いていた際の経験も含みますので、サラリーマン時代にいかに実績を残したかも記載すると良いでしょう。
借入状況は、開業者個人が抱えているローンなどについての内容を聞くもので、ある場合は、残高や借入先まで記載します。
借入があるからといって審査が絶対に下りないというわけではなく、追加で事業融資を行い、返済ができるかを見られます。
審査に不利になるかもしれないと、借入は無い、と嘘をつく行為は信用を落とす結果となるため絶対にやめましょう。
審査のポイントを見極めて、融資の申請を行うようにすると良いですよ。
店舗開業の融資に関するQ&A
最後に、店舗開業の融資に関するQ&Aをご紹介します。
- 自己資金なしでの融資は厳しい
- 融資以外で資金を集める2つの方法
具体的に融資で資金調達をしようと考えている人にはとても気になるポイントですよね。
順に見ていきましょう。
①自己資金なしでの融資は厳しい
A.例外的に自己資金なしでも「新創業融資制度」が受けられる
基本的には、コツコツと自己資金を貯めて融資を受けるのがセオリーです。
金融機関での借入は、計画的に資金が貯められることも経営者の能力であると、そうした努力が評価される傾向があります。
しかし、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」であれば、例外的に条件をクリアすれば自己資金なしで融資を受けられます。
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方
ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします。
日本政策金融公庫:新創業融資制度
新創業融資制度の要件によると、サラリーマンとして現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める方であれば、自己資金なしでも融資を受けられると記載されています。
異業種の企業に勤めている場合は創業セミナーなどを受講することで交付される「認定特定創業支援事業による支援を受けたことの証明書」の提出が、自己資金なしでも融資を受ける条件です。
②融資以外で資金を集める2つの方法
融資以外でも資金を集める方法が2つ存在します。
- 出資
- クラウンドファンディング
1つ目は、特定の団体や個人から、事業の成長を見込んで資金を提供してもらう出資です。
出資は、融資とは違い、返済義務を含みません。
出資を受けるには会社の設立が必要で、投資家が株式を購入することで資金援助が行われます。
株式の取得の割合に対して経営の自由度が低下するなどのデメリットも生じるため、良く検討すると良いでしょう。
これから店舗開業をする個人には、2つ目のクラウドファンディングの方が良いでしょう。
専用のオンラインサイトを利用して、事業に賛同してくれる複数の人から少額ずつ資金を集め、必要な金額を集める方法です。
経歴や実績が無くても熱意やアイディアに対して資金提供をしてくれる人が多く、支援者へのお礼は物やサービスで行います。
まだ歴史が浅い取り組みで、必要な資金を全てクラウドファンディングで集めるのは難しいかもしれませんが、うまくいけば多くの資金を調達でき、ファンの獲得もできますので、チャレンジすると良いでしょう。
店舗・飲食店開業資金をクラウドファンディングで調達する方法|システムや種類を解説開業資金を調達しよう!
店舗の開業には、多くの資金が必要です。
資金調達の中でも大半の人が利用する融資について、審査で重視される事業計画書の書き方やポイントを知っておきましょう。
資金がなければ店舗の開業はできません。
開業資金を調達し、店舗開業を行うために、役立ててください。
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