※この記事には一部PRが含まれます。
新しく店舗を開業するまでに必要な準備を怠ると、開業資金がオーバーしたりオープンの日に間に合わないといったケースも出てきます。
最悪のケースを防ぐためには事前に準備をしておくことが大切です。
この記事では、スムーズにより良い店舗作りのために店舗開業までの準備と流れを解説していきます。
店舗開業に必要な5つの準備
店舗開業には5つの準備が必要になってきます。
良いお店作りをしていくために、流れを理解しながら1つずつステップを踏んでいきましょう。
事業計画を立てる
事業内容、サービス、コンセプトをあらかじめ計画しておきましょう。
開業資金で掛かる費用、売り上げの見込みやランニングコストも計算して事業計画に練りこむことも大事です。
事業計画が立てられていないと、良いお店作りどころか開業にすら至らないケースも出てきます。
開業するための基盤となるので、時間をかけてでも細かな部分まで計画しましょう。
開業のための資金調達
開業するためには資金が必要です。店舗費用や設備といった初期費用だけでなく、経営していくためには毎月必要な家賃や人件費といったランニングコストもかかってきます。
開業後に円滑に経営していくために、あらかじめ資金調達をしておきましょう。
物件を探す
店舗となる物件を、場所や外観、店舗面積などコンセプトに沿って探しましょう。
物件が決まることで今後支払っていく家賃も決定します。
初期費用ももちろんですが、固定費として資金をどのくらい確保できるかも事業計画と共に確認しておくことが大事です。
店舗内の準備をする
実際に営業していくための店舗内準備を進めていきましょう。
内装や外装はもちろんですが、備品や商品開発も準備していかないといけません。
さらに、価格設定など事細かな調節も必要となってきます。
最初に計画をしていた時には見えなかった準備も出てくるので、時間にゆとりを持って開業準備をしましょう。
開業のための手続きをする
店舗がオープンできる準備が整ったら、開業するための手続きに取り掛かりましょう。
営業形態によって許可や資格は様々です。さらに、手続きに時間を要することも出てきます。
事前相談をするなどして、開業までに手続きを済ませる準備もしておきましょう。
事業計画を立てよう!事業計画書の作成方法を解説
事業計画を元に事業計画書を作成するようにしましょう。
書面として自身で確認していくことも大事になってきます。
開業準備だけでなく、経営していく中で重要となるポイントになるので、念密な計画を立てておくことが成功への道です。
①事業計画書の作成が必須
事業計画書は、店舗準備や利益を上げていくだけでなく、銀行や日本政策公庫などに融資を受ける際にも重要な書類です。
融資先がお金を貸しても信頼できると思える計画や、売上と利益の確保が必要になってきます。
事業内容だけでなく、創業者の経歴や今後のビジョン、マーケティング戦略をどうするかなども事業計画書に練りこんでおきましょう。
②事業計画書の作成方法
事業計画書はテンプレートやソフトを活用しても作成できますが、自身でも重要なポイントは練りこんでおきましょう。
開業前の資金調達するために、必ず計画書に練りこんでおいた方が良い項目を次で紹介します。
開業者の経歴と動機を書こう!
事業計画書を作成する際に、開業者である自身の経歴と開業に至った動機は必ず書くようにしましょう。
融資先からすれば、誰にお金を貸すのかも重要です。事業計画だけが上手くできていても、当の本人が信頼できなければ融資は受けることができません。
ここに今後のビジョンなども盛り込んで、自身の信頼性と熱意も併せて伝えていきましょう。
事業内容とサービス内容を書こう!
事業内容とお客にどういったサービスを提供するかも重要になってきます。
もちろんですが、集客が無ければ売り上げもありません。
集客力を伝えるために、お店の魅力や特化した部分も事業計画書に書いておきましょう。
売り上げや利益の数字の納得性と根拠を示そう!
事業計画書で一番重要とされるのが、やはり数字です。
客数と客単価で計算される売り上げの計画を事細かに立てる必要があります。
この売り上げの中から、経費として掛かってくる固定費や変動費を出して利益を確保しないといけません。
商品に対する利益率や仕入れ先の確保と仕入れ価格も計算して、毎月利益を出してどうやって継続していくかの根拠と納得性を持たせるかが大事になってきます。
店舗開業には資金が必要!
開業する5ヶ月前には資金を準備しておきましょう。
一般的には開業に1000万円は必要とされています。最低でも300万円、できれば500万円は自己資金として必要です。
代表的な資金調達方法を次で紹介していきます。
①金融機関から融資を受ける
資金調達で多く利用されているのは金融機関からの融資です。
お金を借りるということは、返済しないといけません。
開業して経営していく中で、返済していくこともコストとして計算しておく必要があります。
各金融機関で金利や融資金額の上限も変わってくるので、事業計画書を元に融資先を探しましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の創業融資制度を利用して開業資金を調達する場合、無担保・無保証という好条件で1000万円まで融資してくれます。
条件として、融資金額の10分の1以上自己資金を持っておかないと融資を受けられません。
金利が安いというメリットもありますが、審査が厳しいとされています。
地方銀行・信用金庫
どちらも地域密着型で融資がおりやすいと言われていますが、地方銀行は融資に保証会社が絡んでいることもあって多少審査が厳しめです。
信用金庫は地域の企業が会員となって運営しており、地域発展のために融資が受けやすいとされています。
ただし、金利が高めに設定されていることも多いです。
②親族や友人から資金調達する
親族に頼んで資金調達をする場合、しっかりと事業内容と返済計画を立てて同意の上で借りるようにしましょう。
仲の良い友人からお金を借りることもできますが、その場合は相手にもメリットを作って信頼関係を崩さないことが重要です。
どちらも個人間でのやり取りになるので、借用書を交わして迷惑を掛けないようにしましょう。
③助成金や補助金を活用する
国や地方自治体などで助成金や補助金を活用して資金調達をすることもできます。
こちらにおいては、基本的に返済義務がありません。
ただし、募集内容と期間が随時更新されていくので、自身に合った資金調達方法が無い場合もあります。
各自治体に相談して、どういった助成金や補助金があるか確認してみるとよいでしょう。
物件を探そう!良い物件の選び方を解説
資金調達ができたら物件を探して契約をしましょう。
開業準備をしていくためにも8ヶ月前くらいまでには探しておくのが目安です。
ここではより良い物件の選び方を解説していきます。
①コンセプトに合った物件選びが重要
開業店舗の形態だけじゃなく、その中での細かいジャンルやコンセプトに合わせた物件選びが重要です。
客層、サービス内容、提供する商品で物件の外観の選び方も変わってきますが、人通りの多さや場所、周囲の店舗との違和感がないかや広さも大事になってきます。
自分の店舗の商品やサービスが、よりお客に満足できるような物件選びをしましょう。
②居抜き物件で費用を節約
資金に少しでも余裕を持たせたい場合、居抜き物件を探すのも一つの手です。
同業種でジャンルが違ったとしても、使える設備が揃っていれば改装にあたっての資金がかなり抑えられます。
③施工業者に同行してもらう
あらかじめ施工業者が決まっている場合、一緒に同行してもらうと計画通りの店舗が作れるかをチェックしてくれます。
契約後によくあるのが、計画していた設備が取り付けられないといったケースです。
後から困らないように、先に施工業者を探しておくのも良いでしょう。
店舗内の準備をしよう!商品調達やメニュー開発も
物件が決まったら、いつでもオープンできる状態に準備しましょう。
内装や外装を設計して施工業者に工事してもらい、店内に必要な備品や設備もここで揃えていく必要があります。
さらに、どこから商品を購入して発注するかの仕入れ先も決めなくてはなりません。
飲食店であれば商品とメニューの開発も必要です。
ここまで準備が終わり、仕入れ価格や商品の原価といったコストが計算できた段階で、やっと価格設定をすることができます。
店舗サービスをより良くするために販促物も用意したりと、思った以上に店舗内準備には時間がかかってくるはずです。
事前準備ができることは先に決めておくとよりスムーズに取り掛かれるでしょう。
開業の手続きをしよう!業種別に必要な届け出を解説
開業1ヶ月前には、資格や許可を届け出ていつでも営業できる準備をしておきましょう。
業種別に必要な届出と提出する管轄が違うので、それぞれ解説していきます。
①飲食店の場合
飲食店開業の届出は、食品を扱うこともあってより多くの申請が必要です。
必要不可欠な許可と、営業形態によって必要になってくる届け出もあるので次で紹介していきます。
食品衛生責任者資格
飲食店を営業するには、食品衛生責任者資格を持っている方が1名以上必要となります。
資格者がいないと食品営業許可が下りません。
取得するには、各都道府県の食品衛生協会に事前申し込みをし、約6時間ほどの講習を受ければ資格証が貰えます。
食品営業許可
保健所に申請をし、飲食店を営業するにあたっての基準を満たしていれば約2〜3週間で許可が下ります。
検査項目は各地域によって若干の違いがありますが、調理室(シンクの数など)や客室の設備の構造などが検査対象です。
店舗の設備と概要を図面で書いて提出し、保健所からのチェックを受けて何事も無ければ食品営業許可証が交付されます。
防火管理者選任届
飲食店は防火対象となることから、防火管理責任者を選任して届け出る必要があります。
ただし、従業員と座席数を合計した収容人数が30人未満の店舗であれば必要ありません。
選任者は防火管理者の資格を有する者となっており、消防署で1〜2日の講習を受ければ取得できます。
火を使用する設備等の設置届
調理する際に火気を使用するため、防火措置をしているかのチェックが必要です。
管轄内の消防署に書類を提出し、必要事項を記入して手続きをすれば5日程度で許可が下ります。
設備設置工事の前に届け出を提出しないといけないので、消防署に事前相談して置いた方が良いでしょう。
深夜における酒類提供飲食営業開始届出
深夜0時を過ぎて酒類を提供する場合、深夜における酒類提供飲食営業の届出を提出しておく必要があります。
警察署の生活安全課に届け出をすれば、10日後から営業可能です。
もし午後11時までなど深夜0時を超えない場合には必要ありません。
②パン屋、ケーキ屋、アイスクリーム店などの場合
食品衛生責任者資格を持つ方が1名以上と、菓子製造業許可が必要です。
保健所に申請をし、菓子製造における定められた設備と機械器具が整備されているかをチェックされます。
ただし、テイクアウトだけでなく商品を店内飲食で提供する場合は、飲食店営業の許可も必要です。
③パチンコ、スナック、雀荘などの場合
風俗営業許可が必要となり、接待が必要なスナックであれば「1号営業」で、雀荘であれば「4号営業」といった風に営業形態別に分類されています。
警察署内の生活安全課で申請できるので、自分の業種が何号営業に当たるかを相談してみましょう。
許可が下りるまでの期間は2ヶ月ほど掛かります。
④酒屋の場合
お酒を持ち帰りで販売する場合、一般酒類小売業免許が必要です。
飲食店のように店内飲食であれば必要ありません。
税務署で申請できますが、必要書類や施設内の区画区分など細かな規約が多いので、開業前に税務署職員に相談してみた方がよいでしょう。
⑤美容院や理髪店などの場合
美容所開設届または理容所開設届を保健所に申請しましょう。
構造設備や衛生備品の数をチェックされ、何事も無ければ2週間程度で許可が下ります。
もし美容師または理容師が2名以上従事する場合は、免許資格の他に管理資格も必要です。
⑥マッサージ店などの場合
施術所開設届出が必要で、保健所に開設届を提出しましょう。
許可制ではなく届出制となっており、開設後じゃないと申請できません。
原則として、開設してから10日以内の届け出が義務付けられています。
⑦ペットショップなどの場合
動物を扱って販売・保管・貸出などを営利目的で行う場合、第一種動物取扱業の登録が必要です。
登録は保健所で申請できます。
哺乳類・鳥類・爬虫類が対象動物となっており、熱帯魚やカブトムシなどの販売には登録の必要がありません。
⑧クリーニング店の場合
クリーニング所開設届出書を保健所に提出しましょう。
職員からの施設内確認後、届出を提出してから概ね10日前後で許可が下ります。
国家資格であるクリーニング師の免許も必要なので、受験する際に開業条件をチェックしておくとよりスムーズに手続きできるでしょう。
⑨ホテルや旅館などの場合
宿泊施設であるホテルや旅館を開業する場合、保健所で旅館業許可が下りないと営業できません。
営業施設の基準が厳しく、構造の平面図や立体図も作成して提出する必要があります。
用途地域によっては許可が下りない場合もあるので、事前に保健所に相談の上で手続きを進めた方が良いでしょう。
⑩古本屋、古着屋、リサイクル店の場合
営業するには古物商許可が必要で、管轄内の警察署で申請できます。
住民票や身分証明書の他にも、略歴書や誓約書も必要書類で準備しないといけません。
手続きには約1ヶ月ほどかかるので、早めに準備して必要書類をまとめておきましょう。
店舗開業の進め方を理解してお店を開こう!
店舗開業は、事業計画をしっかりと立ててから進めていくことが重要です。
事業計画がおろそかになると、開業はおろか資金調達ができない恐れもあります。
物件探しや店舗内準備、開業手続きもいつまでに取り掛かって完了させるかも事業計画の段階で立てておきましょう。
店舗開業の流れを理解して、分からないことや不明点は専門の方や各手続き所に相談しつつより良いお店を作ってください。
\ 【無料相談】LINEでの相談も受付中! /