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「飲食店を立ち上げたいけど、何をすればいいか分からない」
「資金調達や手続きが難しそうで、自分には出来ないかも」
こんな風に悩んでいる方はいませんか?
本記事では飲食店の立ち上げを考えている方に向けて、必ずやるべき3つの準備について解説します。
物件探しや資金調達、各種申請など詳しく解説しますので、是非参考にしてください。
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飲食店の立ち上げに必須な3つの準備
飲食店を立ち上げる上で必須となるのは、以下の3つの準備です。
- 物件探し
- 資金調達
- 立ち上げるための手続き
この3つの準備は、その飲食店の売り上げや集客、競争力に関わるとても重要なものです。
これら3つの準備をしっかりと行えば、スムーズな立ち上げが出来るでしょう。
それでは、それぞれの具体的な準備方法を解説します。
飲食店を立ち上げるためには物件が必要
飲食店を立ち上げるならば、もちろん物件が必要です。
物件を取得する際には、以下のような「物件取得費用」がかかります。
- 保証金(敷金)
- 礼金
- 仲介手数料
- 管理費
- 造作譲渡料(居抜き物件の場合)
- 前家賃(空家賃)
「敷金」「礼金」などはご存じの方も多いと思いますが、
「造作譲渡料」
「前家賃」
「保証金」
は馴染みのない方もいるかもしれません。
上記3つを抜粋してご説明します。
造作譲渡料
「造作譲渡料」は、居抜き物件を借りる場合に発生する費用です。
居抜き物件の場合は内装や設備を買い取ることになります。これを造作譲渡といい、前オーナーと造作譲渡契約を結ぶ際に発生するのが、造作譲渡料です。
前家賃(空家賃)
「前家賃(空家賃)」とは、翌月の家賃を先払いする支払い方法のことです。
例えば5/22に入居を決めた場合、5/22〜5/31の10日分と、6月分の家賃(前家賃)を前払いします。
現在は賃貸住宅を含めほとんどがこの前家賃(家賃先払い)となっています。
保証金(敷金)
「保証金(敷金)」は、家賃の10ヶ月分が相場と言われています。
ただし物件によっては1〜2年分必要というケースもあるため、必ず契約前に確認しておきましょう。
物件探しは慎重に!良い物件の探し方を解説
物件探しは、集客や客層などに関わるとても重要なものです。
物件によってスムーズに集客できる場合もあれば、まったく集客ができず数ヶ月で閉店になってしまうケースもあります。
長く愛される店をつくるために、良い物件の探し方を解説します。
①コンセプトに合った物件選びが重要
まずどういったコンセプトの店を作りたいかを考え、それに合った物件を選びましょう。
物件の雰囲気はもちろん、その土地ごとにどういった客層が見込めるのかも考慮する必要があります。
例えば若者が集まる活気溢れるバーを作りたいのに、高齢者が多く住む土地の物件を借りるのは、コンセプトに合った物件選びとは言えません。
このように、コンセプトやそれに合った客層の集客が見込める物件選びは必須です。
***詳しいコンセプトの決め方は「飲食店 始めるには」へ誘導***
②居抜き物件で費用を節約
居抜き物件で費用を節約すれば、その他の部分により多くの費用を割くことができます。
「居抜き物件」とは、前オーナーが使用していた設備や内装、空調設備などがそのまま残された物件のことです。
反対に、内装や設備がすべて撤去された物件を「スケルトン物件」と呼びます。
スケルトン物件と居抜き物件で、内装工事費用の相場は以下のようになっています。
- スケルトン物件・・・1坪あたり30〜50万円程度
- 居抜き物件・・・1坪あたり15〜30万円程度
自分の理想に合った居抜き物件を見つけることができれば、数十万円〜数百万円単位で節約することができます。
良い居抜き物件が見つかるかはタイミングもありますが、不動産業者と積極的に相談してみるとよいでしょう。
③施工業者に同行してもらう
施工業者に内見を同行してもらうと、想定通りの店が作れるか判断しやすくなります。
物件を内見する際には、以下の項目をチェックする必要があります。
- 想定する座席数が確保できるか?
- 空調設備や排気ダクトのパワーはどうか?
- グリストラップに問題はないか?
- 導線の確保に問題はない広さか?
- 電力やガス容量は不足していないか?
- その他既存設備に不具合はないか?
また居抜き物件の場合は、設備のチェックなどまで確認しなくてはなりません。
これだけのチェック項目を適切に判断するのは、施工のプロでないと難しいでしょう。
施工業者に同行してもらえば、様々な部分をプロ視点で判断してもらえるため、理想通りの店を作りやすくなります。
賃貸契約後に「想定席数が確保できない」などのトラブルが判明することも多いです。そのため、施工業者に同行してもらうと良いでしょう。
飲食店の立ち上げには開業資金が必要
飲食店を立ち上げる際にかかる費用は、おおよそ1000万円と言われています。
そのうち最低でも300万円、可能であれば500万円の自己資金が必要です。
ここからは、こうした開業資金の調達方法について解説します。
開業資金の調達方法は4つ!調達先の内訳も解説
開業資金の調達方法には、以下の4つがあります。
- 金融機関から融資を受ける
- 親族や友人から資金調達する
- 助成金や補助金を活用する
- 親近調達先
各調達方法について解説していきましょう。
①金融機関から融資を受ける
資金調達と聞いて多くの人がまずイメージするのは、金融機関からの融資でしょう。
融資を受けられる金融機関には、以下のものがあります。
- 日本政策金融公庫
- 地方銀行
- 信用金庫
日本政策金融公庫の融資は、金利が低く返済期限も長いことがメリットです。しかし申請が複雑で、審査が通りにくいというデメリットもあります。
そのため日本政策金融公庫からの融資を検討する場合は、専門家などにも協力してもらいながら準備をするのが良いでしょう。
そして地方銀行や信用金庫からの融資を受ける方法もあります。ただし銀行や信用金庫の融資は、審査期間が長い点に注意が必要です。
また申請時に「営業許可証」を必要とするケースが多いですが、この営業許可証は内装工事等が終了しないと発行されません。
つまり内装などの開店準備資金を確保するのには適さないものもありますので、要項などをよく確認しましょう。
②親族や友人から資金調達する
親族や友人から資金調達は、書類手続き等がなく簡単な調達方法です。
しかし血縁関係があったとしても、こうしたお金周りのことはトラブルに繋がりやすい側面もあります。そのため下記の点を明文化しておくと良いでしょう。
- 返済義務の有無
- 利子はつけるか、つける場合は何%か
- 返済期間はいつまでか
こうした内容を話し合った上で書面に起こし、署名・捺印をした上で保管します。
間柄によっては気軽に貸してくれる方もいるかもしれませんが、後々トラブルにならない保証はありません。
将来どのような事があるか先が見えない時代です。リスク回避の意味でも、しっかりと話し合った上で資金調達をしましょう。
③助成金や補助金を活用する
助成金や補助金制度で資金調達をするメリットは、返済義務がないものが多いことです。
政府が行っている助成金・補助金制度には、以下のものがあります。
- キャリアアップ助成金
- 人材開発支援助成金
- 雇用調整助成金
- ものづくり補助金
- 地域創造的起業補助金(創業補助金)
- 小規模事業者持続化補助金
開業時に申請できるものや、開業後に申請できるものなど様々な助成金・補助金があります。
しかし助成金・補助金は審査完了までや、実際にお金が振り込まれるまでに時間がかかるものが多いです。
また返済義務がない分、倍率も高いものがほとんど。そのため、こうした助成金・補助金は他の資金調達方法と併用すると良いでしょう。
資金調達先の内訳
日本政策金融公庫が行った調査によると、開業資金の調達額平均は以下のような割合となりました。
調達合計額 | 1,177万円 |
金融機関等からの借入 | 68.3%(803万円) |
自己資金 | 23.9%(282万円) |
友人・知人 | 2.3%(28万円) |
配偶者・親・兄弟・親戚 | 3.9%(46万円) |
その他 | 1.4%(17万円) |
開業資金の調達方法としては、「金融機関からの借入」を使う割合が最も高いようです。次いで「自己資金」が23.9%で2番目に高い割合となっています。
知人や親族などから借り入れるケースは少なく、開業資金のほとんどを金融機関等からの借入と自己資金でまかなっていることが分かりました。
飲食店の立ち上げには手続きが必要
飲食店を立ち上げる際は、様々な手続きが必要になります。
- 営業許可申請(保健所)
- 防火管理者選定届(消防署)
- 防火対象設備使用開始届(消防署)
- 防火対象物工事等計画届出書(消防署)
- 火を使用する設備などの設置届(消防署)
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届(警察署)
- 個人事業主の開業届(税務署)
- 給与支払事務所の開設届(税務署)
- 労災保険の加入手続き(労働基準監督署)
- 雇用保険の加入手続き(公共職業安定所)
- 社会保険の加入手続き(日本年金機構)
11種類もあると途方もなく感じるかもしれませんが、どれも重要な手続きです。
手続き漏れがあると懲役刑が科されたり、営業停止処分になることもあります。もれなく手続きを行えるようにしましょう。
飲食店の開業に必要な手続きを解説!
それでは11種類の手続きについて、それぞれ解説していきます。
①保健所
保健所で行う手続きは以下の1種類です。
- 営業許可の申請
営業許可の申請には、以下の要件を満たす必要があります(要件は業種等によって異なります)
- 欠格要因に該当しないか
- 食品衛生責任者が配置されているか
- ねずみや昆虫の防除設備が設置されているか
- 50以上の明るさが確保できる照明か
- 床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい壁か
- 作業場外に清潔な更衣室または更衣箱が設けられているか
- 耐水性で蓋があり、容量が十分で、清掃がしやすく、汚液や汚臭がもれないゴミ処理設備があるか
上記は一部抜粋ですが、こうした要件を満たしていないと営業許可の申請はできません。
また無許可で営業を行った場合は、罰金刑や懲役刑を受ける場合もありますので、必ず手続きを行いましょう。
②消防署
消防署で行う手続きは、以下の4種類です。
- 防火管理者選任届の提出
- 防火対象設備使用開始届の提出
- 防火対象物工事等計画届出書の提出
- 火を使用する設備などの設置届の提出
消防署への手続きは、お店の規模などによって必要なものが異なります。不安な方は店の図面などを持って消防署へ相談に行くとよいでしょう。
これらの手続きをせず営業した場合も、罰金刑などが科される場合があります。かならず提出するようにしましょう。
③警察署
警察署で行う手続きは、以下の1種類です。
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届
ただしこれは、「酒類を提供していて、0時以降も営業する店」のみ必要な手続きです。これに該当しない場合は提出する必要はありません。
「酒類を提供する店」とは、いわゆるバーや居酒屋を指します。
④税務署
税務署で行う手続きは、以下の2種類です。
- 個人事業主の開業届
- 給与支払事務所の開設届
「個人事業主の開業届」は、事業を始める際は必ず提出しなくてはならない書類です。確定申告などにも必要な手続きとなりますので、開業1ヶ月以内に必ず提出しましょう。
「給与支払事務所の開設届」は、従業員に給与を支払うために必要な手続きです。所得税などを納めるのにも必要となり、所得税を納め忘れると「脱税」になってしまいます。
これら2種類の手続きも忘れずに行いましょう。
⑤労働基準監督署
労働基準監督署で行う手続きは、以下の1種類です。
- 労災保険の加入手続き
「労災保険の加入手続き」は、従業員を雇ったら必ずしなくてはいけない手続きです。
また、雇用条件によっては「雇用保険」の手続きを行う必要があります。
労災保険や雇用保険も加入手続きを怠った場合、罰則を受けることとなります。必ず加入しましょう。
⑥公共職業安定所
公共職業安定所(ハローワーク)で行う手続きは、以下の1種類です。
- 雇用保険の加入手続き
この雇用保険に加入する必要があるかは、雇用条件によって異なります。
- 所定労働時間が週20時間以上
- 31日以上雇用される見込みがある
- 学生ではない(通信・夜間・定時制除く)
上記に該当する従業員は、雇用保険に加入する必要があります。
ただし、事業主が親族の場合や、複数の会社で勤務している場合、農林水産業を行っている場合、業務委託の場合などは雇用保険加入対象となりません。
この雇用保険は条件などが若干複雑なので、不安があれば専門家に相談しましょう。
⑦日本年金機構
日本年金機構で行う手続きは、以下の1種類です。
- 社会保険の加入手続き
ただし「社会保険の加入」は法人化している場合のみ必要な手続きです。
個人事業でやっていく場合は必要ありませんので、注意してください。
飲食店を立ち上げるために準備しよう
今回は、飲食店を立ち上げるための準備について解説しました。ポイントは以下の3つです。
1.施工業者などの意見も聞きながら、コンセプトに合った物件を探す
2.資金調達については、様々な方法を検討する
3.各種手続きは業態などによって異なるため、不安があれば専門家に相談する
この「物件」「資金調達」「各種手続き」をしっかりと行えば、スムーズに飲食店を立ち上げることができるでしょう。
一方で、うっかりミスが大きなトラブルに繋がることもあります。もし不安があれば、専門家などに相談して進めるようにしてください。
本記事が飲食店立ち上げを夢見る皆様にとって、何かの参考になれば幸いです。
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