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飲食店を始めたいけど始め方がわからない。自分にできるのか?そう思ってなかなか第一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、飲食店を始める場合にまず最初に考えたいお店のコンセプトと事業計画書の立て方等について解説いたします。
合わせて飲食店を始めるヒントとなる情報も解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
お店のコンセプトを決めることが第一歩
飲食店を始める場合に、まず準備することはお店のコンセプトを決めることです。
コンセプトを決めるコツは、以下の「7W2H」を基本に考えましょう。
①Why(理由・目的)
②When(時期・タイミング)
③Where(場所・立地)
④Who(主体者・関係者)
⑤Whom(対象者・お客様像)
⑥What(提供サービス・メニュー)
⑦Which(イチオシ商品)
⑧How(方法)
⑼How much(費用・予算)
飲食店経営は新規参入しやすい業種です。かと言って、コンセプトも立てずに見切り発車は避けましょう。
明確なコンセプトがあることは、開業までの準備に計画性をもたらし、将来的には利用客から愛されるお店作りに繋がります。
では、「7W2H」について詳しく解説していきましょう。
①飲食店を開業する理由を考える
Why(理由・目的)・・・何故・何のために飲食店を開業するのか?
飲食店を開業する目的となる動機について明確にしましょう。
✔︎動機とは
- なぜ飲食店を始めたいのか?
- 料理が好き、接客業が好き?
動機を明確にし目的が決まると、利用客に雰囲気が伝わり集客に繋がっていきます。
「ただ何となく興味があるから」という曖昧な理由ではなく、強い意志が根ずくような動機付けを考えましょう。
もし、動機が曖昧で整理できない場合は、頭に浮かんだキーワードをどんどん書いてみましょう。少しずつ整理ができて目的が明確になります。
②いつまでに開業するか考える
When(時期・タイミング)・・・いつまでに店を開業するのか?
開業日を決めることは、物件選びや資金調達、従業員採用など、その他の計画が連動して立てやすくなります。
✔︎まずゴールを決める
- 開業日を決めると逆算して開業計画が立てやすい
- 開業日は事業計画書に必要な記載事項
- ゴールを決めると前向きに少しづつ結果を出すことができる
加えて、開業日を決める以外に、営業時間や定休日についても決めて行きましょう。
営業日や時間の設定はターゲットを決める際に関係するポイントです。例えば、夜間営業か昼営業かで客層となるターゲットも調整する必要があります。
③どこに店舗を出すか考える
Where(場所・立地)・・・どのエリアのどんな立地、どんな店舗で開業するのか?
集客に大きく影響する立地条件は、飲食店開業の成功に繋がる重要ポイントです。
✔︎立地条件と出店する業態の相性
- 回転率の良い店→ 人通りをのある路面を選ぶと有利
- 顧客単価を重視した店→ 回転率より滞在時間を重視/駅より離れた場所でも良い
- リピータ客を集客する店→人通りが少なく閑静な地域性が有利
このように、立地条件選びには、お店のコンセプトが明確であると決めやすくなります。
また、立地条件を選ぶ場合、ポイントにそって市場調査をすると良いでしょう。
- オフィス街、または住宅街
- 最寄りの駅はいくつあるか
- 駅から何分(徒歩または電車・バスなど)
- 営業時間に合う地域性か(夜間営業に対応)
- ターゲットは
- 競合店のあるエリアか
- 駐車場は必要か
④どんなメンバーで開業するか考える
Who(主体者・関係者)・・・誰がどんなメンバーと飲食店を開業するのか?
運営スタッフについて決めましょう。
✓運営体制はどっち?
- 一人で営業。従業員雇わない
- 従業員を雇う
従業員を雇う場合は、スタッフの人数や必要なメンバーの特徴についても具体的に考えましょう。
✔︎従業員を雇う場合のポイント
- 社員は何名募集?アルバイトは何名?必要人数を決める
- 従業員に求めるスキル
- 従業員の年齢や性別
- 従業員のキャラクター
- 従業員の給与設定
⑤狙うターゲットを考える
Whom(対象者・お客様像)・・・どんなターゲット層を狙って飲食店を開業するのか?
お店のコンセプト設定に大きく反映するターゲットについて設定しましょう。
ターゲットの設定にはメインターゲットと続くサブターゲットを考え、客層の幅を広げるための準備を行いましょう。
✓ターゲット
- ファミリー向け
- 学生向け
- 会社員向け
- OL向け
- 主婦向け
年齢層や男女比など、客層の具体化は、立地条件以外にもメニューや料金設定、営業時間などを決めるために重要なポイントです。
また、ターゲットを絞ることで、店舗内装やメニューの盛り付け方など、雰囲気の見せ方をより明確に決めることができます。
⑥メニューを考える
What(提供サービス・メニュー)・・・どんなメニュー構成で飲食店を開業するのか?
提供するメニューを考えることは、お店の看板ともなる重要ポイントです。
メニューの設定は、競合店とダブらないように独自の個性を生かしたアイディアが必要です。
✓メニューの設定
- 学生と会社員ではメニュー価格設定が変わる
- OLとサラリーマンでは、メニューの盛り付け方や量が変わる
- 営業時間に合わせたメニューを決める(朝食メニュー・ランチメニューなど)
- こだわりメニュー(日替わり限定メニュー・産地直送メニューなど)
⑦どのメニューを看板商品にするか考える
Which(イチオシ商品)・・・どのメニューをイチオシにするのか?
競合店との差別化を図るために看板メニューは必要です。イチオシの看板メニューをアピールできると集客とリピート率向上に繋がります。
✓看板メニュー
- 産地直送や、食材にこだわる
- ネーミングがおもしろい
- 安い
- 高級
- 著名人おすすめメニュー
- ストーリー性がある
- 演出
”あの店のあの味を食べたい”という看板メニューは、お店の顔となりSNSや口コミで拡散しやすく宣伝効果に繋がります。
⑧宣伝方法を考える
How(方法)・・・どのようにしてその飲食店を世の中に広めていくのか?
飲食店の開業にはお店の知名度を上げるための宣伝が必要です。
効果的な宣伝には、「7W2H」を軸としたコンセプト設定が明確であることです。
✓飲食店の効果的な宣伝方法
- 拡散力が高いSNS広告
- DMダイレクトメール(クーポンや特典付き)
- リスティング広告 (Webでの宣伝)
- 食べログ(月間約9,000万人以上利用の日本最大級のグルメサイト)
⑨予算を立てる
How much(費用・予算)・・・どれくらいの時間とお金をかけて飲食店を開業するのか?
開業資金や客単価を決めましょう。
開業日までの準備期間を想定して、およそ1年を目途に資金計画を立てましょう。
初めて開業する場合は、計画通りに進まないこともあります。時間にゆとりを持って進めましょう。
✓開業資金
- 工事費
- 設備費
- 運転資金
- 家賃
- 人件費
- 厨房費
- 備品代
自己資金だけで飲食店を始める人は少数派で、大半は金融機関などから借入れを行います。融資を受けるためには、金融機関に提示する事業計画書の作成が必要となり、コンセプト設定は、開業資金を調達するためにも重要な作業となります。
事業計画を立ててコンセプトを明確化する
コンセプト設定が決まったら、次は事業計画の作成と続きます。
事業計画書は、飲食店開業に必要な書類の申請手続きです。
①事業計画書の作成が必須
事業計画書とは、飲食店を開業する際に必要な金融機関に提出する書類です。
✓事業計画書の記載事項
- ビジョン、動機、目的
- 基本情報:社名、店舗名、住所など
- 経営者の経歴、キャリア
- サービス内容(飲食店で提供するメニューやその特徴)
- 取引先・取引関係(販売先や仕入先、外注先など)
- 従業員
- 借入れの状況
- 開業資金の調達方法・資金計画
- 事業の将来目標
事業計画書が必要な理由は、開業資金や運転資金など店舗の運用資金を金融機関から融資してもらうためです。
個人資金では調達しきれない資金を、事業計画書の提出によって資金調達し、事業を軌道に乗せるために活用することができます。
②具体的に収支の予測を立てる
事業計画書作成のポイントのひとつは、収支計画書です。
✓収支計画書を作成ポイント
- 具体的にどれだけのお金が必要か?
- 何のためにお金が必要か?
- お金をどのように返済するか?
将来的な「収入・支出」を予測する収支計画書は、事業計画書の基本となります。
収支計画では、売上計画に対しいくら利益が見込めるか検討し、店舗運用コスト(固定費と変動費)を計算します。
✓固定費
- 家賃
- 減価償却費
- リース代
✓変動費
- 人件費
- 原材料費
- 光熱費
- 備品代
- 販促費用
- 雑費
提示する数値の根拠を明確にし、利益が毎月でるような計画を立てることが重要です。
飲食店の始め方に関するQ&A
飲食店を始める場合に疑問となる点を解説いたします。
Q:飲食店を開業する場合、どれくらいの準備期間が必要ですか?
A:だいたい半年〜1年の準備期間が必要です。効率よく計画を進めるためには、開業日を設定し、逆算して作業工程を計画するようにしましょう。
✓準備期間を1年とした計画フロー
- 12か月前:コンセプト設定
- 11か月前:事業計画書作成
- 8か月前:物件選び
- 6ヵ月前:資金調達
- 4か月前:メニュー設定
- 3ヵ月前:内装工事
- 2か月前:備品発注
- 1か月前:従業員採用、教育
- 1か月前:各種届出
そして開業スタートです。
②飲食店を始めるためには何か資格が必要ですか?
A:「食品衛生責任者」と「防火管理者」が必要です。
食品衛生責任者
食品衛星責任者とは、飲食店の衛生管理と運営の責任者として、安全な食品をお客様へ提供するための知識を持った人です。
食品衛生責任者になるためには講習を受ける必要があります。
✓講習内容
- 各都道府県の食品衛生協会の主催
- 事前申し込みが必要http://www.n-shokuei.jp/outline/sisho.html
- 講習費用:1万円(実施する地域によって異なる)
- 通常は1日講習を受講することで資格を取得できる
- 難易度:食品衛生責任者の資格の合格率は、ほぼ100%
防火管理者
防災管理者とは、飲食店の火災被害を防止するために消防計画を作成し、防火管理業務を計画的に行う人です。
✓資格取得の条件
- 1年以上防火管理の実務経験がある
- 消防職員の経験者
- 防火対象物点検資格取得者
- 甲種危険物取扱者
- 一定の学識経験を有すること
など
ただし、講習の受講者は上記の条件以外の人でも資格を取ることができます。
受講すれば資格を取得できるということです。
✓講習内容
- 一般財団法人 日本防火・防災協会 管轄
- 郵送で事前申し込みが必要
- 難易度:中学校卒業程度以上で日本語を理解できる程度
資格 | 講習時間 | 受講料 |
甲種防火管理新規講習 | 10時間:2日間講習 | 8,000円 |
乙種防火管理講習 | 5時間:1日間講習 | 7,000円 |
甲種防火管理再講習 | 2時間:半日講習 | 7,000円 |
Q:飲食店の開業資金はいくらぐらいになりますか?
Q:飲食店の開業資金はいくらぐらいになりますか?
A:一般的な目安として必要な金額は1000万円前後になります。
借入金額と自己資金を合わせた資金額です。
例えば、1坪あたり100万円の資金とし、物件の敷地面積をかけて目安の金額を出すことができます。以下の開店資金の内訳にそって概算してみると良いでしょう。
✓開業資金
- 物件の敷金・礼金
- 家賃
- 光熱費
- 内装・外装工事費
- 厨房設備の工事費
- 調理器具・食器類の費用
- 従業員の給与・社会保険料
- 原材料費
- その他諸経費
まずはコンセプトを立ててみよう!
飲食店を始める場合、まずはコンセプト設定から始めましょう。
飲食店の開業準備となるコンセプト設定は、将来的に事業を軌道に乗せるために大事なポイントです。
本記事を参考に「7W2H」を基本にコンセプトを考えるところから始めてみてください。
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