電子チラシ(デジタルチラシ)とは?電子チラシの作り方から効果まで徹底調査!

集客や販促の手段として、様々な場面で使われてきたチラシ。これまでは、紙の広告を新聞に折り込むなどして配布する方法が一般的でした。 しかし近年、新聞の発行部数が減少していることや、管理会社や住民からのクレームで郵便受けへの広告の投函を禁止・制限する集合住宅が増えたことなどにより、従来の紙のチラシでの宣伝効果は低下しています。 そこで注目されているのが、従来の紙チラシをインターネット上で配信する電子チラシです。多くの世代ですでにスマートフォンがかなり普及していることもあり、その効果が期待されています。 この記事では、
  • 電子チラシとは何か
  • 電子チラシを利用するメリットとデメリット
  • 電子チラシの作り方と配信方法
  • 代表的な電子チラシ配信サービス
についてご紹介します。

電子チラシとは

電子チラシとは、折り込み広告の情報をメールやアプリなどの形式で配信することにより、パソコン、スマートフォン、タブレット型端末などで閲覧できるサービスのことです。 事前に住まいなどの個人情報を登録することで、地域の特売情報やクーポンなどが自動的に配信されるようになります。「デジタルチラシ」、「Webチラシ」といった言葉も同じ意味で用いられます。

電子チラシを利用するメリット

スマートフォン1台で広告情報を確認できるため、ユーザーにとって大変便利な電子チラシですが、配信する側にも様々な利点があります。電子チラシを利用するメリットとしては、次の5つが挙げられます。
  • チラシの印刷と配布にかかるコストを削減できる
  • チラシの在庫管理が不要になる
  • 新聞を購読していない人に情報を届けられる
  • チラシから別のページへの移動を促せる
  • アクセス解析により広告の効果検証ができる
従来の紙チラシと比較して、それぞれ解説していきます。

チラシの印刷と配布にかかるコストを削減できる

紙のチラシを利用すると、印刷に必要な紙やインクなどの備品代のほかに、印刷と配布にかかる人件費といった様々なコストが発生します。 それに対して、電子チラシではこれらにかかる時間や経費をカットまたは削減することができるため、全体的にコストを大幅に抑えることが可能です。

チラシの在庫管理が不要になる

紙チラシの場合は、データを印刷して保管しておく必要があり、在庫を管理するための場所も確保しなければなりません。 そのため定期的に発行する場合や、複数種類のチラシを発行する場合は、在庫の維持・管理が煩雑になり、担当者にかかる負担も大きくなってしまいます。 しかし、電子チラシは配信するためのデータをインターネット上に保管しておくだけでよいため、在庫の維持・管理をする必要がありません。 これは、先述のコスト面でのメリットだけでなく、チラシの紛失やチラシの配布ミスを完全に防げるという意味でも大きなメリットになります。

新聞を購読していない人に情報を届けられる

近年、若者だけでなく多くの世代で新聞の購読率が低下している一方で、スマートフォンの利用率は若年世代はもちろん、高齢者の間でも上昇しています。 従来の紙チラシのメインであった新聞の折り込み広告は、基本的に新聞を購読している世帯にしか届けることができません。しかし、インターネットを介して配信することでスマートフォンやパソコンで閲覧できる電子チラシであれば、新聞を購読していない人々にもアプローチすることが可能です。 紙を持ち歩く必要がなく、スマートフォンやタブレットで気軽に閲覧できるというのも、電子チラシの優れた点といえるでしょう。

チラシから別のページへの移動を促せる

紙チラシでも、QRコードを掲載するなどの工夫によって別のWebページに誘導することができます。しかし、電子チラシはリンク先のURLを掲載することで、より少ない手間でリンク先へのアクセスが可能になります。 別のWebページで、商品の詳しい情報や関連の商品情報を載せた自社サイトやECサイトに連携させておくことで、チラシで向上した購買意欲をすぐにWebページ上で購買行動に繋げることができるでしょう。

アクセス解析により広告の効果検証ができる

閲覧状況を把握できるという電子チラシの機能も、紙チラシにはない大きなメリットの一つです。閲覧数だけでなく、アクセス解析ツールを用いて商品の注目度を分析することによって、顧客の関心を把握することができます。 いつ、どのような人が、チラシの中のどのようなものをよく見ているのかというチラシの効果を検証することができれば、それらを分析することで実店舗への来店率や購買率の上昇にもつなげられるでしょう。

電子チラシを利用するデメリット

紙チラシと比較した電子チラシのメリットは多くありますが、デメリットももちろんあります。電子チラシを利用するデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
  • 電子チラシを利用しない層にリーチできない
  • 一覧性が低い
  • 現物で保管できない
それぞれ解説していきます。

電子チラシを利用しない層にリーチできない

電子チラシはインターネット上で配信され、パソコン、スマートフォン、タブレットなどで閲覧するサービスです。そのため、これらのデジタル媒体を使用しない人々にはリーチしづらいです。 スマートフォンの普及率が伸びているとはいえ、特に若年世代に比べて高齢者層のインターネット利用率は低く、今でもなじみのある紙チラシを好む人もいます。 ターゲットとする年齢層によっては紙チラシのほうが効果が高いこともあるため、店舗のターゲット層を考慮してチラシの配布方法を選ぶことが重要です。

一覧性が低い

スマートフォンなどで電子チラシを見る場合、ページ数が多いことで、一覧性に欠くという面があります。 一方で、一覧性を持たせようとページ数を減らし小さい画面上に多くの情報を詰め込むと、かなり見にくくなってしまいます。 このような場合は、画面上に一度に表示する情報量を抑えるとともに、一覧で表示するページを別途作成するなど、スマートフォンで見てもわかりやすいレイアウトを工夫をするとよいでしょう。

現物で保管できない

紙チラシの場合は、めぼしい商品を直接紙に書き込んでチェックしたり、買い物の時に忘れないよう冷蔵庫や玄関などに貼ったりすることができます。 しかし、電子チラシは紙チラシほど保管方法の自由度がないというデメリットもあります。 アプリやチラシの画面上でチェックできるようにするなど、サービスを提供する際の工夫が求められるといえるでしょう。

電子チラシの作り方

電子チラシの作り方には、主に以下の2つがあります。
  • 紙チラシをPDF化する
  • 電子チラシ作成サービスを利用する
それぞれ解説していきます。

作り方①紙チラシをPDF化する

1つ目は、紙チラシのデータをPDF化する方法です。 すでに紙での印刷を想定したデザインがある場合、それをPDF形式のファイルで配信すれば、ユーザーがそれをダウンロードして閲覧することができます。 この方法では、無料で簡単に作成することができますが、チラシ内にリンクを貼り付けるなどの設定はできません。また、紙での閲覧を想定した小さな文字などは拡大しなければ見えない場合があります。

作り方②電子チラシ作成サービスを利用する

2つ目は、電子チラシ作成サービスを利用する方法です。 基本的には利用料金がかかってしまいますが、リンクの挿入やクーポンの発行といった、PDFファイルにはないサービスを提供できます。また、アクセス解析によるチラシ配信後の効果検証など様々な機能があるため、より高いマーケティング効果が期待できます。

電子チラシの配信方法

作成した電子チラシは、以下の3つのような方法で配信できます。
  • メールマガジン
  • オウンドメディア
  • 電子チラシ配信サービス
それぞれ解説していきます。

配信方法①メールマガジン

すでに一定数の会員数がいる場合、メールマガジンを利用して配信する方法があります。 テキストだけでなく商品の画像も入れたり、自社サイトやECサイトへのリンクを挿入したりすることによって、より顧客の購買意欲を高めることができます。 ただし、配信されている人以外へのアプローチができないため、会員限定のセールなどで用いるなど使い方を検討する必要があるでしょう。

配信方法②オウンドメディア

自店舗のメディアがある場合は、オウンドメディアに掲載することもできます。 こまめにホームページをチェックする顧客が多い場合、チラシをページ上に掲載すると効果的です。また、SNSを運営している場合は、電子チラシを掲載しておくことで閲覧数を増やすことができるでしょう。

配信方法③電子チラシ配信サービス

メルマガやオウンドメディアを運営していない場合でも、電子チラシ配信サービスを利用することで、多くのユーザーに情報を届けることができます。 電子チラシの作成から配信までを一括で行えるサービスもあり、少ない手間で自店舗の電子チラシを提供することができます。 以下では、5つの電子チラシ配信サービスを紹介します。
  1. Shufoo!
  2. LINEチラシ
  3. トクバイ
  4. チラシプラス
  5. クラシルチラシ
それぞれ解説していきます。

1. Shufoo!

引用元:Shufoo! Shufoo!(シュフー)は、2001年に凸版印刷が開始した電子チラシ配信サービスです。スーパーマーケットやドラッグストアなどの電子チラシだけでなく、各種サービスやイベントの案内を見ることができます。 国内利用率No.1を誇り、最大月間1,600万人が利用しており(2018年10月実施のマクロミル「電子チラシ、紙媒体チラシに関する調査」より)、2022年6月時点で4,600社の企業がこのサービスを活用しています。 予算、商圏、配信希望ユーザー数に応じて月額上限を設定でき、ニーズに合った集客を提案してもらうことができるのが魅力です。

2. LINEチラシ

引用元:LINEチラシ LINEチラシは、LINEがアプリ利用者向けに提供しているデジタルチラシサービスです。 2022年3月末時点で日本人口の85%以上が利用しており、国内で9,200万人以上を誇るLINEユーザーに向けて配信できる点が大きな魅力となっています。 LINEは、LINEチラシ以外にもLINE Payや店舗向けのLINE公式アカウントなど様々なサービスを展開しており、これらのサービスと連携することでシナジーを生むことが期待できます。運用次第では高い広告効果を実現することが可能です。 月額費用は、基本料金(登録店舗数×税抜1,000円)+掲載料金(お気に入りユーザー月間閲覧数×税抜30円+非お気に入りユーザー月間閲覧セッション数×税抜10円)となっています。

3. トクバイ

引用元:トクバイ トクバイは、クックパッドが運営している配信サービスです。 買い物目的の女性やファミリー層のユーザーが多く、掲載店舗もスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなどを中心に、地域の小売店から大手チェーンまで生活物品を扱うお店を幅広くカバーしています。 チラシ以外にもクーポンやイベント・キャンペーンの情報を制限なしで配信することができます。自社ホームページやECサイトとも連携が可能です。 店舗のニーズに合わせて、いくつかの掲載プランから選ぶことができます。

4. チラシプラス

引用元:チラシプラス チラシプラスは、セブンネットが提供している電子チラシ配信サービスです。 チラシのほかに店舗単位でタイムセールやクーポンの配信ができ、スーパーマーケットや小売店など大手企業も導入しています。チラシの作成から配信までの作業をすべて依頼することができ、LINE公式アカウントやTwitterといったSNSとの連携も可能です。 月額料金はかかりますが、従量課金がないため低コストでの運用ができるのが魅力です。

5. クラシルチラシ

引用元:クラシルチラシ クラシルチラシは、レシピ動画サービス「kurashiru(クラシル)」を運営するdelyが提供している電子チラシ配信サービスです。2020年3月のリリースしたばかりですが、配信当初から契約店舗数を急激に伸ばしています。 「kurashiru」で展開しているレシピと連携して電子チラシを配信できるのが強みで、特に一人暮らしの若年層や主婦層へのアプローチが期待できるサービスです。

まとめ

この記事では、電子チラシとは何か、電子チラシを利用するメリットとデメリット、電子チラシの作り方と配信方法、代表的な電子チラシ配信サービスについてご紹介してきました。 電子チラシは、チラシの情報をメールやアプリなどインターネット上で閲覧できるサービスです。そのため、紙チラシと比べてコストを削減でき、在庫管理が不要になるなど、メリットは多いです。しかし、紙と電子それぞれにメリットとデメリットがあるので、発信する内容との相性も踏まえたうえで適切な媒体を選択するとよいでしょう。 電子チラシ配信サービスを導入する際は、ご紹介した情報をもとにぜひご検討してみてください。