飲食店に人気のおすすめ新電力会社7社を徹底比較|選ぶポイント/比較方法も合わせて解説

2016年4月に電力の小売全面自由化となってから、新電力会社の参入が増えました。

2023年3月28日時点での小売電気事業者の登録数は722社もあり、消費者側からすると選択肢が多く増えたことになります。

その結果、どの電力会社を使用すればいいのかも検討材料が多くなり迷ってしまうということも少なくありません。本記事では飲食店だけに限らず、法人・店舗運営をする個人事業主におすすめの人気新電力会社を7社厳選し、徹底比較しています。

選ぶ際のポイントも併せて解説しているので、現状よりも電気料金を安くおさえたい場合は必見です。


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新電力とは

2016年4月の「電力の小売全面自由化」以前は大手電力会社のみが発電から小売まで独占していました。

現在は、どのような会社でも一般向けに電気の小売ができるようになり、その新規参入の小売電気事業者のことを「新電力」と言います。

いままで電気の販売に携わってこなかったような異業種企業も新電力として参入してきており、それぞれの本業とセットにしてお得なプランで販売したり、いままでにないサービスが誕生したりしています。

新電力の仕組み

新電力によりお得に電気を使えるようになったのはなぜでしょう。

簡単に言えば自由に小売ができるようになったことから「価格競争」が起きた為です。

電力の小売全面自由化前

電力は人間が健やかな生活を営むために必要なものです。

そのため、電力会社の収入は保証されておくべきとのことから、一般家庭などは法律で定められた電気料金を支払うことになっており不利な仕組みでした。

電力の小売全面自由化後

電力の自由化はオフィスビルや大規模工場などを対象に段階的に2000年から始まりました。

そして、2016年4月に一般家庭も対象となり新電力より電気を購入することができるようになりました。

小売全面自由化前までには参入してこなかった企業も小売を始めるようになり、各社工夫を凝らしたプランやサービスを提供しています。

消費者もさまざまな会社から選ぶことができるため、市場では価格競争が起こり以前よりも電気を安く使うこともできるようになりました。

一般電気事業者との違い

一般電気事業者は電力の小売全面自由化前から存在する電力会社のことをさします。

一般電気事業者は発電所保有義務があり、送電線などの送配電網を保有する必要があり、法人向けに料金プランやサービスを行うことができません。

その反対で新電力は電力の小売全面自由化後に参入してきた会社をさします。

新電力は、発電所保有義務がなく、送電線などの送配電網を保有する必要もありません。

そして、法人向けに料金プランやサービスを提供することができます。この結果、ある法人の望むプランがあれば今まで以上に安く電気を使うことができるようになりました。

飲食店におすすめの新電力会社7社を比較

飲食店におすすめの新電力会社を7社比較します。

基本料金や電気量料金だけでなく、違約金やその他サービスも各社異なるのでチェックしましょう。

飲食店におすすめの新電力会社7社較
  1. ハルエネでんき
  2. 楽天でんき
  3. TEPCO
  4. Looopでんき
  5. ニチデン
  6. ENEOSでんき
  7. ソフトバンクでんきforBiz

順番に見ていきましょう。

①ハルエネでんき

引用:ハルエネでんき
サービス名ハルエネでんき
基本料金30A 772.20円(税込)
40A 1,029.60円(税込)
50A 1,287.00円(税込)
60A 1,544.40円(税込)
電力量料金第1段階 120kWh以下 19.88円(税込)
第2段階 120kWhを超え300kWh 26.48円(税込)
第3段階 300kWhを超え 30.57円(税込)
(1kWh)
プランシンプルプランHプラス
対応エリア東京都、栃木県、埼玉県、神奈川県、静岡県の富士川以東
群馬県、茨城県、千葉県、山梨県
違約金など更新月:供給開始月(供給契約が更新された場合には、更新された月)から起算して36ヵ月目とその翌月
契約期間内に解約となる場合、契約解除料として9,800円(不課税)と解約事務手数料として3,850円(税込)

ハルエネでんきは、法人用の「低圧電力(業務用電力)」の供給量が新電力小売事業部門で業界シェア 24ヵ月連続 NO.1をとっている新電力会社です。

基本料金はかかりますが、電力量料金は他と比べても圧倒的に安いのが特徴でしょう。さらに、契約から初回料金、1年ごとの料金を割引してもらえる「法人ライフプランH」では、電気の使用量に応じて、料金割引を受けられます。

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②楽天でんき

引用:楽天でんき
サービス名楽天でんき
基本料金0円
電力量料金北海道電力エリア 34.20円/kWh
東北電力エリア 28.80円/kWh
東京電力エリア 29.45円/kWh
中部電力エリア 29.30円/kWh
北陸電力エリア 24.80円/kWh
関西電力エリア 25.50円/kWh
中国電力エリア 26.60円/kWh
四国電力エリア 26.90円/kWh
九州電力エリア 26.37円/kWh
プランプランM(kVA契約)
対応エリア北海道/東北/東京/中部/北陸/九州電力:従量電灯C相当(現在の契約容量が6kVA~49kVAのお客様)
関西/中国/四国電力:従量電灯B相当(現在の契約容量が6kVA~49kVAのお客様)
違約金など解約金なし

楽天でんきは、楽天が提供する新電力事業の1つです。申し込みをWEBに限定し、お支払い方法をクレジットカードに限定することでコスト削減をしているため基本料金が0円です。

その分、電力量料金は他社と比較しても平均なみです。飲食店だけでなく、美容室やビジネスホテルでも利用され、多くの店舗でコスト削減につながっています。

③TEPCO

引用:TEPCO
サービス名TEPCO
基本料金286.00円(10Aにつき)
(例:15Aの場合=429.00円)
電力量料金〜400kWhまで 9,879.63円
401kWh〜 29.58円 /1kWh
プランプレミアムS
対応エリア栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、
東京都(島嶼地域を除く)、神奈川県、 
山梨県および静岡県(富士川以東)
違約金など契約期間満了日から遡って2か月の期間以外でプレミアムプランを解約し、他の電力会社へ切り替える場合
1年契約の場合には税込3,000円
2年契約の場合には税込5,000円

TEPCOは東京電力グループの事業持株会社です。電気設備、水回り、カギ、窓ガラスなどのトラブルに対応した生活かけつけサービスが付いてきます。

時間ごとに使用量を示せるグラフや契約しているライフラインを一元管理できるWebサービスを展開しており、店舗のコスト確認・改善に活かせます。また店舗規模に応じて、アンペアを選べるスタンダードSやスタンダードLなどのプランを選べます。

④Looopでんき

引用:Looopでんき
サービス名Looopでんき
基本料金0円
電力量料金29.4円(税込)/kWh
プランビジネスプラン
対応エリア北海道、東北、関東、中部、北陸、関西、中国、四国、九州
違約金など0円

Looopでんきは、再生エネルギーに特化した新電力会社です。基本料金は0円、使った分だけの支払いです。電力量料金も分かりやすくシンプル

また、電気がつかない、停電、コンセントが焦げ臭いなどのトラブルに、24時間365日対応してもらえるサービスがついています。遠隔監視システム「みえるーぷ」により、膨大なデータ量から発電量と需要量と予測し、無駄のない電気の調達量を実現できています。最適化された電気量のため、比較的安い金額を提供できています。

⑤ニチデン

引用:ニチデン
サービス名ニチデン
基本料金20A1契約 543円 40銭
30A1契約 815円 10銭
40A1契約 1,086円 80銭
50A1契約 1,358円 50銭
60A1契約 1,630円 20銭
電力量料金最初の120kWhまで25円 16銭
120kWhをこえ300kWhまで 25円 77銭
300kWhをこえる23円 43銭
プランニチデン東京レギュラープランB
対応エリア東京電力管内
違約金など解約金0円
(6か月以内の早期解約に限り2,000円(税別)の解約事務手数料が発生)

ニチデンは、旅行会社のH.I.S関連会社が提供する新電力会社です。「つながる修理サポート」という家電の困りごとを電話1本で、国内外200メーカー以上、50品目以上の製品修理サポートが無料で利用できます。

エアコン、冷蔵庫、洗濯機は、無償(最大50万円)にて修理対応が可能です。また、ニチデン利用者は国内・海外旅行での割引の利用もできるため、業務の息抜きをお得にしたい飲食店オーナーにもおすすめでしょう。

⑥ENEOSでんき

引用:ENEOSでんき
サービス名ENEOSでんき
基本料金1kW 1,012.00円(税込)
(0.5kWの場合:506.00円)
0.5kW以上 原則50kW未満
電力量料金夏季 17.37円/1kWh
その他季 15.80円/1kWh
(夏季とは毎年7月1日から9月30日までの期間)
プラン「ENEOSでんき」東京動力プラン(業務用)
対応エリア茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県の一部(富士川以東)
違約金など0円

ENEOSでんきは、ENEOSが提供する新電力会社です。電気料金をENEOSカードで支払うとガソリン、灯油、軽油が1円/ℓ割引になります。

自動車を頻繁に使用する業務がある場合はお得に感じやすいでしょう。また、20年以上にわたる実績を誇るため、安心のサービスを利用したい飲食店オーナーにおすすめです。

⑦ソフトバンクでんきforBiz

引用:ソフトバンクでんきforBiz
サービス名ソフトバンクでんきforBiz
基本料金10A 286円(税込)
15A 429円(税込)
20A 572円(税込)
30A 858円(税込)
40A 1,144円(税込)
50A 1,430円(税込)
60A 1,716円(税込)
再生可能エネルギー発電促進金として1契約につき235円84銭
電力量料金120kWhまで 19円99銭/kWh
120〜300kWh 26円28銭/kWh
300kWh以上 30円57銭/kWh
プラン従量電灯B
対応エリア東京電力管内
違約金など解約満了月の翌月1日から翌々月末までが契約更新期間
それ以外の月の解約は9,800円(税込)

ソフトバンクでんきforBizは、ソフトバンクが提供する新電力会社です。基本料金が細かくあり、電力量料金も他社と比較して安く設定されています。さらに切り替え時の手数料もなく、提示した日程で工事を完了してもらえます。

ソフトバンクの携帯を使用している場合、お得なプランが発表されることもよくあるので携帯キャリアとセットで検討してもよいでしょう。また、ソフトバンクサービスで連携していると一括で請求できるので、ソフトバンクをすでに利用している飲食店オーナーはぜひ検討してみましょう。

新電力会社を選ぶ際の3つのポイント/比較方法

新電力会社ごとに基本料金や電力使用料の設定が大きく異なることがわかりました。3つのポイントを絞って選ぶと比較がしやすくなります。

新電力会社を選ぶ際の3つのポイント
  1. 料金が安いか
  2. サービスにメリットがあるかどうか
  3. 信用できる電力会社である

各比較ポイントについて順番に見ていきましょう。

①料金が安いか

料金は基本料金と従量課金で決められています。

基本料金電気量料金
ハルエネ772.20円(30Aの場合) 19.88円 (401kWh〜 )
楽天でんき0円29.45円/kWh
TEPCO286.00円(10Aにつき)29.58円 /kWh (401kWh〜 )
Looopでんき0円29.4円/kWh
ニチデン543円 40銭(20Aの場合)25円16銭/kWh
ENEOSでんき1,012.00円17.37円/kWh
ソフトバンクでんきforBiz572円 (20Aの場合)19円99銭/kWh

基本料金が0円の場合、電力量使用量は1kW単位あたりで少し高くなる傾向があります。

その反対で基本料金がある場合は、電力量使用量は安く設定されているところが多いです。

どの程度の電力を使用するのかでお得になるかどうかが変わるので、実際の使用量をもとに計算するようにしましょう。

②サービスにメリットがあるかどうか

本業によって付随サービスが大きく異なります。

クレジットカードと連携するとお得になったりポイント率が高くなったりする場合があります。また、生活トラブルに関して対応サービスがある会社もあります。

③信用できる電力会社である

帝国バンクデータによれば、2023年3月24日時点で倒産・事業停止が判明した新電力会社の数は195社社と急増しました。

契約をしてもすぐにサービスが終了してしまったり、トラブルが発生すると再度違う電力会社を検討するなど面倒が生じます。

実績や取引件数があるかどうかなど、信用できる電力会社がどうかを確認しましょう。

新電力会社を飲食店が利用する4つのメリット

ここからは、新電力会社を飲食店が利用する4つのメリットについて解説します。以下の通りです。

新電力会社を飲食店が利用する4つのメリット
  1. 大手電力会社と比べ電気代を節約できる
  2. セットで契約すると割引を受けられる
  3. ポイント還元でお得になる
  4. 電力会社によって環境保全に貢献できる

飲食店を運営するにあたって、電気代を節約できると店舗規模によっては、年間で数万〜数10万円近く安くできます。各メリットについて順番に見ていきましょう。

①大手電力会社と比べ電気代を節約できる

新電力会社を利用することにより、大手電力会社を利用するよりも電気料金を安く抑えられます。新電力会社は、大手電力会社を勝ち抜くために、価格競争で顧客の獲得を目指しています。

そのため、大手よりも比較的安い金額の電気代になるでしょう。毎月数万円の電気代を支払っている飲食店であれば、新電力会社に変更して節約するのが良いでしょう。

②セットで契約すると割引を受けられる

また、新電力会社では、電力だけでなく、ガスやインターネット、携帯電話などのライフライン系の事業へ参入しているケースがあります。そのため、1つの会社でセットで契約すると割引が適用される場合が多いでしょう。

セット料金で契約すると最大で電気従量課金金額の3%ほどを割引する特典や数千円の割引を受けられたりします。全ての契約を1つの会社で管理できるので、1人で店舗を運営する飲食店オーナーにはぴったりでしょう。

新電力会社への切り替えを検討している飲食店オーナーの方は1つの会社で統一契約を検討してみてはどうでしょうか。

③ポイント還元でお得になる

また、新電力会社では、電気代を支払うたびにポイントを還元できる会社もあります。ポイントを還元され、貯まったポイントを支払いや他のポイントへ変更すると、お得に活用できるでしょう。

新電力を選ぶ際には、ポイントの還元率はいくらくらいか、どのポイントに利用できるのか確認しておくのがおすすめです。

④電力会社によって環境保全に貢献できる

新電力会社によっては、二酸化炭素排出削減や太陽光発電、風力発電など完了保全に考慮した電気を供給しています。

どうせ選ぶなら地球に優しい再生可能エネルギーを活用したい飲食店オーナーにもおすすめです。店舗としても社会貢献性があると評価され、顧客からのお店に対する価値向上に繋げられるでしょう。地球環境保護に興味のある飲食店オーナーはぜひ試してみましょう。

新電力会社を飲食店が利用する2つのデメリット

続いては、新電力会社を飲食店が利用する2つのデメリットについて解説します。

新電力会社を飲食店が利用する2つのデメリット
  1. 景気に応じて価格が高騰する場合もある
  2. 倒産するリスクがある

順番に見ていきましょう。

①景気に応じて価格が高騰する場合もある

天然ガスの不足や寒波に夜電力需要増加、コロナウィルスによる運搬船の運用トラブルなど、社会の問題や景気変動により価格が高騰する可能性も少なくありません。

新電力会社によっては、市場連動型プランを提供している会社があります。市場連動型とは、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に応じて、電気料金が決定され、価格が安くなれば、安くなり、高騰すれば、応じて金額が高まります。

そのため、市場と連動しないプランで契約したり、節約できるタイミングだけ連動プランにしたりするなどで対策を練りましょう。

②倒産・事業撤退するリスクがある

また、新電力会社は民間企業が運営しているため、倒産・事業撤退をするリスクも考えられます。そのため、「ただ安いから」や「営業が来たから」など甘い言葉を謳う新電力会社を選定してしまうと、経営がうまくいっていないリスクがある業者の可能性も否めません。

これから新電力会社への切り替えや新規契約を検討しているのであれば、適切な選定基準で電力会社を選びましょう。

まとめ

電力の小売全面自由化となり、新電力の参入が増えたことによって今まで以上にお得に電気を使うことができるようになりました。

その反面、選択肢が多く、店舗に合うお得なプランを提供している会社を探すのは一苦労かもしれません。

おすすめの新電力会社を参考に、少しでも安く電気を使用しましょう。

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