クーポン付きチラシの利用方法|クーポンを活用して集客力を上げるポイントとは?

集客や販売促進の手段としておなじみのクーポン。実はその歴史は古く、1887年にコカ・コーラ創設者であるアサ・キャンドラーのアイデアで雑誌や路上で配られたという、コカ・コーラ1グラス無料券がクーポンの始まりとされています。 この非常にシンプルなアイデアのおかげでコカ・コーラは瞬く間に市場規模を拡大し、世界を代表する大企業へと成長しました。しかし、いまやクーポンは世の中にあふれかえっており、ただ配布するだけではなかなか集客効果に結びつきません。 そこで、今回の記事では以下の内容について解説していきます。
  • クーポンの効果
  • クーポンで集客力を上げるためのポイント
  • クーポンの種類
クーポンの回収率が低い、クーポンをもっと効果的に使いたい、といった方はぜひ最後までご覧ください。

クーポンの効果

クーポンの配布には、次のような効果があります。
  1. 顧客の獲得につながる
  2. 売上単価の上昇につながる
  3. SNSでの集客効果アップにつながる
  4. 広告の価値が上がる
それぞれ詳しく見ていきましょう。

効果①:顧客の獲得につながる

多くの顧客にとって、新しくできた店舗や利用したことのない店舗に入って買い物をするのは慣れないものです。クーポンは、こうした消費者の心理的なハードルを下げ、入店や購入のきっかけを作る手段として活用することができます。 また、クーポンを定期的に発行して配布することによって、再来店の促進や顧客離れの防止にも役立ちます。クーポンは、新規顧客だけでなくリピーターの獲得にも有効な手段であるといえるでしょう。

効果②:売上単価の上昇につながる

「クーポンを持っていたために、購入しようと考えていたもの以外の商品もついでに買ってしまった」という経験をしたことがある方は、少なくないでしょう。 クーポンの配布は、対象商品の購買率上昇に貢献するだけではありません。それ以外の商品も一緒に買ってくれる顧客が増えることにより、売上単価の上昇にもつながるのです。

効果③:SNSでの集客効果アップにつながる

SNSを利用した集客を行っている場合、SNSを通じてクーポンを配布することによって、高い集客効果を実現することが期待できます。 SNS上では情報が拡散されやすく、お得な情報を探しているユーザーにフォローされることによって認知度の向上につなげることが可能です。また、フォロワーの性別や年代などの属性を分析することで、どのような顧客が関心を持っているのかがわかるため、クーポンの内容や集客方法を考えるときにも役に立ちます。

効果④:広告の価値が上がる

クーポン付きのチラシは、商品情報しか掲載されていないチラシに比べて目を引きますし、保存しておきたいという気持ちになります。そのため、クーポンは広告自体の価値も高める効果があるといえるでしょう。 1枚のチラシにつき複数の種類のクーポンを用意しておくと、チラシをすぐに手放されてしまうことが少なくなり、リピーターの獲得にもつながります。

クーポンで集客力を上げるためのポイント

次に、クーポンで集客を行うためのポイントについて解説します。
  1. 目的とターゲットを明確にする
  2. 有効期限を設定する
  3. ターゲットごとに特典を設ける
  4. 顧客が利用しやすい形式を考える
  5. お得感のある特典内容にする
  6. 効果を測定する

ポイント①:目的とターゲットを明確にする

後で紹介するように、クーポンには様々な種類があります。また、ターゲットごとにリーチしやすいクーポンの配布方法も異なるでしょう。 そのため、獲得したい顧客層に合わせて適切なクーポンを発行するためには、クーポンをどのような目的で配布し、どんな顧客に使ってほしいかを考えることが重要です。目的とターゲットが明確になれば、それに合った割引率などを設定できるため、高い集客効果につなげることができます。

ポイント②:有効期限を設定する

クーポンに有効期限を設定していない場合、消費者には「いつでも使えるから後回しにしよう」という心理が働き、クーポンを使う優先度が下がってしまいます。 後回しにされていつまでもクーポンが使われないままでいると、顧客離れに繋がってしまう恐れがあります。最終的に消費者側がクーポンを持っていることを忘れてしまうということも起こり得るでしょう。 集客効果を高めるためにも、適切な有効期限を定め、消費者に積極的なクーポンの利用を促すことが重要です。 また、人の少ない時間帯や期間に限定してクーポンを適用する工夫も有効です。この場合、顧客人数の減少を抑えられ、クーポンの適用時期に合わせて仕入れやスタッフの人数を調整できるというメリットがあります。

ポイント③:ターゲットごとに特典を設ける

特定のターゲットにクーポンを利用してもらうためには、ターゲットとなる顧客層ごとに、その属性に合わせた特典を設けることが重要です。 例えば、若者層とファミリー層が主なターゲットである場合、それぞれの層に向けて別々のクーポンを用意すると効果的です。その際、顧客層ごとに何が魅力的に感じるかを考えてみるとよいでしょう。 誕生日や開店記念日など特別な日にのみ利用できるクーポンを発行したり、「先着◯◯名様限定」など発行枚数を限定すると、「あなただけ」「今だけ」という特別感を演出することができます。 有効期限と同じく、限定性を持たせることによってクーポンを使用する顧客を増やし、回収率をあげることができます。

ポイント③:顧客が利用しやすい形式を考える

顧客の年齢や性別などによって、普段目にする広告の媒体や利用する店舗の種類には違いがあります。そのため、店舗側はクーポンを発行する対象に応じた配信方法を考えることが大切です。 チラシには紙チラシと電子チラシがあり、顧客層によって使いやすいものは異なります。また、より多くの人にクーポンの存在を知ってもらうためには、ユーザーがその媒体を手にする時間帯にクーポンを配信するという工夫も必要でしょう。

ポイント④:お得感のある特典内容にする

クーポンを見ても、お得感がなければ消費者は動きません。お得感を伝えるためには、魅力のある特典内容にするだけでなく、その魅力が伝わるような表現を考える必要があります。 わかりやすい言葉を用いたり、数字を大きめに印字したりするなど、チラシを一目見た消費者の目を引き、心に訴えかけるような表現を使うよう意識することが大切です。

ポイント⑤:効果を測定する

クーポンによる集客効果を確かめるには、クーポンを導入する前後でどれくらい集客数に違いがあるかを測定する必要があります。 効果測定によって、以下のようなことが分かり、クーポンの配布方法や集客の改善を検討する際に役立ちます。
  • クーポンを導入した目的が達成されているかどうか
  • どのような顧客層がクーポンを見て来ているか

クーポンの種類

クーポンには様々な種類があります。それぞれに対象とする顧客や用途が異なるため、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
  • 割引クーポン
  • 無料クーポン
  • キャッシュバック
  • お試しクーポン
  • 紹介クーポン
  • スタンプ満了クーポン
それぞれ、詳しく解説していきます。

割引・値引きクーポン

「◯◯%オフ」「◯◯円引き」といったように、定価よりも低い価格で商品を購入できるクーポンです。汎用性が高く業種を問わず利用できるため、最もスタンダードなクーポンであると言えます。対象となる商品を掲載する場合は、定価との差額がわかるように割引・値引き前の価格も併記しておくとよいでしょう。 各属性に対しては、次のように目的によって割引条件を設定すると、ターゲットとなる顧客層へのアピールにも効果的です。
  • 性別や年齢別の割引
  • 売上単価を上げたい場合はセット割引
  • 一度に複数人での利用を狙う場合はペア割やグループ割
  • 顧客離れを防ぎたい場合はリピーター割引

無料クーポン

対象となる商品やサービスを無料で得ることができるクーポンです。単に無料で商品やサービスと引き換えられるものもあれば、「◯◯円以上購入で」「◯◯個以上購入で」のような条件付きのものもあります。 消費者にとってはお得感が高いため、新規顧客の獲得につながりやすいです。また、オプションサービスの場合は、売上単価アップも期待できます。 ただし、無料引換の場合は割引や値引きの場合と異なり、消費者庁が定める景品表示法の適用対象となります。引換商品の金額が上限(1,000円未満の場合は200円、1,000円以上の場合は取引価額の10分の2)を超えると、措置命令や課徴金納付命令などが行われるため、注意が必要です。

キャッシュバック

キャッシュバックは、その場で引かれた金額を支払う割引や値引き、または支払いを必要としない無料引換と異なり、対象商品を購入した後で購入分が払い戻されるというサービスです。 一旦購入する必要があるためお得感は薄いですが、安売り商品に対するネガティブなイメージがつきにくいという利点があります。また、現金でなくポイントでの還元やプリペイドカードへのチャージという形で払い戻すとリピーターの獲得にも繋げやすいです。

お試しクーポン

主に新規顧客の獲得を目的として発行されるクーポンです。 初回限定での商品割引やサービスの無料体験、商品サンプルの提供を行うことにより、幅広い層のユーザーを集めることができます。また、2回目以降も継続して利用してくれる継続顧客の獲得に繋がりやすくなります。 サブスクリプションサービスをはじめ、リピーターが売上の多くを占める業種で活用されています。

紹介クーポン

家族や友人に紹介することで、特定の商品や割引などのサービス、キャッシュバックなどを得ることができるクーポンです。多くの場合1回きりではなく、紹介人数ごとにサービスを受けることができるため、紹介できる知り合いが多い顧客にとっては非常にお得感が高いです。 紹介を通じて得た顧客は、不特定多数から集めた顧客に比べて新規顧客として定着しやすく、信頼関係を築きやすいという特徴があるため、サービス提供側のメリットも大きいといえます。

スタンプ満了クーポン

スタンプカードを発行している店舗で、スタンプがいっぱいになったときに配信されるクーポンです。 スタンプカードの特典は顧客にとって魅力的であり、店舗側にとっても常連客を増やすための有効な手段であるといえます。満了時だけでなく、途中までスタンプがたまった段階でサービスを提供することで、より一層スタンプを貯めるモチベーションを高めることができるでしょう。 また、アプリを利用すると自動的にスタンプやクーポンの配信が可能になり、スタンプカードの発行や精算時の手間を減らすことができます。

まとめ

この記事では、クーポンの効果、クーポンで集客力を上げるためのポイント、クーポンの種類についてご紹介しました。 クーポンには集客だけでなく、売上単価の上昇や既存顧客の定着など様々な効果があります。クーポンによる集客効果を高めるためには、目的とターゲット、有効期限などを設定し、ターゲットごとに使いやすくわかりやすい特典を用意することが大切です。 また、種々のクーポンから使用目的と対象顧客に合ったクーポンを選び、適切なタイミングで発行することで、集客力を高めることができます。 クーポンの発行を検討されている方は、この記事で紹介したことをぜひ参考にしてみてください。